マウントゴックス弁済期限まで2カ月|なお34,690BTCが残る
よきょい

引用元: Primakov / Shutterstock.com
マウントゴックスの弁済期限が10月31日に迫っています。2014年2月に東京地裁へ申し立て、再生計画が認可されたのは2021年10月。弁済期限は当初2023年10月31日でしたが3度延期され、現在は2026年10月31日です。残り2カ月を切りました。管財人は、必要な手続きを終えて問題が生じなかった債権者に対する基本弁済、早期一括弁済、中間弁済をほぼ完了したと説明しています。
それでも、まだ受け取れていない債権者が残っているとされています。オンチェーン分析のArkhamの集計では、2025年10月末時点でマウントゴックスは約34,690BTCを保有していました。2024年半ばの約14万2000BTCから大きく減っていますが、ゼロにはなっていません。手続きの完了に至らない理由は個々のケースで異なり、公表されている情報からは一律に把握できません。
分けているのは資産の所在ではなく証拠
同じ構図は海外にもあります。英国の法律事務所CELソリシターズは、10年以上前に消えた取引所インターサンゴの元利用者に帰属するとみられる5500BTC超を追跡したと公表しました。現在の価格では約4億3350万ドル相当です。すでに1件、英国の元顧客が61BTC全額の返還を受けており、1月20日の依頼から5月28日の和解成立まで約4カ月かかっています。
この案件で決定的だったのは資産の所在ではなく証拠でした。口座に紐づいていたメールアドレス、取引所とのやり取り、送金を記録した銀行明細。CELは約15年前の銀行記録を取り寄せることが最大の障壁になったと説明しています。
台帳は移動を記録し、所有者は記録しない
インターサンゴは2012年10月に625BTCを1枚12.10ドル、総額約7563ドルで売りに出していました。同じ625BTCは現在およそ4930万ドルです。当時の紙切れがいま数千万ドルの証明書になっています。
マウントゴックスの弁済もインターサンゴの請求も争点は同じ一点に収束します。本人と残高の結びつきを証明できるか。ブロックチェーンは資金がどこからどこへ動いたかを永久に記録しますが、それが誰のものかは記録しません。所有権を示すのは依然としてメールであり、明細であり、問い合わせの控えです。
価格が上がるほど、この非対称性は広がります。1BTCが12ドルだった頃に「たいした額ではない」として捨てられた記録が、いまは数百万円から数千万円の差になって戻ってきます。逆に言えば、記録を残していた人だけがその差を受け取れます。10月31日という期限は、その差が最終的に確定する日として意識しておく価値がありそうです。
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