株の無期限先物、DeFiもSEC管轄へ?仮想通貨業者が米当局に提案
よきょい

引用元: Mehaniq / Shutterstock.com
米国で株式に連動する「無期限先物(パーペチュアル)」を、どの当局が監督するのかという議論が動き出しました。仮想通貨業者のFalconX Bravoが8月12日、証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)に提案を提出したためです。提案はDeFi(分散型金融)で提供される同種の契約も、明示的に対象に含めています。
対象になるのは、単一の銘柄、または銘柄数の少ない株価指数に連動する現金決済型のパーペチュアルと、そのオプションです。ビットコインなど仮想通貨のパーペチュアル全般は対象外とされました。意見公募は8月24日に締め切られています。
何が変わるのか
提案の切り分けは単純で、取引所に上場しているかどうかという一点です。両当局が認可した市場に「証券先物商品」として上場されていれば、現在の共同監督のまま。清算、証拠金、建玉制限、売買監視、取引停止といった保護がそのまま付きます。
それ以外、つまり相対取引、店頭取引、米国外の取引所、そしてDeFiプロトコルで提供されるものは、SECが所管する「証券連動スワップ」として扱うべきだというのがFalconXの主張です。該当すれば、業者には登録、取引報告、自己資本、証拠金、顧客資産の分別管理といった義務が生じえます。
ただし義務を負うのは「ディーラー」に当たる事業者で、参加者と取引ごとに判断されます。すべてのプロトコル開発者や個人トレーダーに、自動的に登録義務が発生するわけではありません。
見出しになりにくい、もう一つの要求
同じ提案には規制を緩める要求も入っています。SEC規則18a-10は、CFTCに登録済みの業者がSEC独自の自己資本・証拠金・分別管理ルールではなく、CFTCのルールで対応することを認める特例です。
適用条件は証券連動スワップの想定元本が合計の10%を超えないこと。FalconXはこの10%を49%に引き上げるよう求めています。10%という数字は、そもそも「主にスワップを扱う業者向けの特例」という制度の前提そのものでした。49%になれば、業務の半分近くが証券連動でも特例が使える計算になります。
つまり、新しい商品をSECの管轄に入れる提案と、その管轄下での負担を軽くする提案が、同時に出されている構図です。見出しになりにくい部分ですが、既存業者にとっては商品分類そのものより影響が大きい可能性があります。
まだ何も決まっていない
8月21日には、独立研究者のAmadeus Brandes氏が既存の「ミックス・スワップ」制度を使うべきだとする対案を提出し、内部情報、相場操縦、レバレッジ、ファンディングレートへの対応を求めました。CFTCが6月に出した政策声明も、株式や狭義指数の商品を別個の論点として留保していました。
重要なのは、どちらも当局の方針ではないという点です。意見公募の終了は管轄ルールを変えず、商品を認可もせず、規則制定を約束するものでもありません。日本でも株式に連動するデリバティブは金融商品取引法の対象で、業として扱うには第一種金融商品取引業の登録が必要とされます。米国での整理は国内の議論にも参照されていきそうです。

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