米財務省がイラン制裁を強化、デジタル資産も対象に
よきょい

米財務省は8月24日、イランに対する経済圧力強化策「Operation Economic Outcast」を開始し、外国資産管理局(OFAC)が約60の個人・団体・船舶を制裁対象に指定しました。
In the Second World War, D-Day marked the historic beginning of a campaign with our allies to target and drive the enemy from its positions, including those in third countries. Today, in that same spirit, we are launching an economic onslaught against Iran’s financial connections… pic.twitter.com/1fLyobUucu
— Treasury Secretary Scott Bessent (@SecScottBessent) August 24, 2026
同時に大統領令13902に基づく5つのセクター認定が出され、デジタル資産、技術、金、航空、海運の各分野が対象に加えられています。これにより、イランのこれらの分野で事業を行っていると判断された者は、所在地を問わず制裁指定の対象になり得ることになりました。
仮想通貨業界にとって重要なのは、認定の順序が逆転した点です。これまで米当局は、イラン関連の取引所を1社ずつ金融分野で活動しているとして指定してきました。今回のセクター認定は対象を先に分野として画定し、そこに該当するかどうかで指定できる形に切り替えるもので、既存の指定先との取引関係を立証しなくても対象を広げられる枠組みになります。
今回の指定には仮想通貨に直接関わる人物も含まれます。アラブ首長国連邦を拠点とするウクライナ国籍のIvan Obukhov氏は、イランの制裁逃れに使われる船団の仲介役として、2023年以降に1億ドルを超える仮想通貨決済を処理し、イラン革命防衛隊のクッズ部隊による石油販売を助けたとされています。同氏と関連企業のFoscom FZEが指定されました。ほかに、米国のインフラへの攻撃や金銭目的の窃取に関与したとされるイランのサイバー関係者も対象となっています。
市場では、ドルへのアクセスを地政学的な武器として繰り返し用いることが、かえって既存の金融システムの外にある資産への需要を押し上げるのではないかという議論も出ています。8月25日のビットコインは一時8万887ドルと5月中旬以来の高値をつけ、金も3カ月ぶりの高値圏で推移しました。もっとも、この上昇の主因はドル安と米財務省による長期債の買い入れ拡大、そして代替資産への資金流入にあるとされ、制裁そのものが直接の材料になったとは言い切れません。
短期的にはイラン関連の取引を締め上げ、長期的には代替手段を探す動きを促すという二面性が、この政策には残されていそうです。
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