仮想通貨Solana(ソラナ)とは?概要や特徴、注意点を解説【始め方】
airutosena
スマートコントラクトを実装したEthereumの競合となる代表的なチェーンの1つがSolanaです。
大手仮想通貨取引所FTXがSolanaを利用した開発に積極的なことも知られており、さまざまなポイントからEthereumと同様に注目したいチェーン1つであると言えるでしょう。
本記事では、そんなSolanaを購入・利用する前に知りたい概要や特徴、注意点などについて解説していきます。
Solanaを理解して、クリプトライフをさらに豊かにしていきましょう。
目次
Solanaの概要
Solanaは、2017年から開発が開始され、2020年3月に本格的な運用が始まったプロジェクト・プラットフォームの総称です。
そんなSolanaはEthereumと同様に、スマートコントラクトを実装したブロックチェーンとなっています。
性能として、Solanaは1秒あたり50,000を超えるトランザクションを処理できると言われています。
2022年4月のCT Analysisのデータによると、他のチェーンと比較してもTVLは引けを取りません。(下記画像参照)
上記の点から、Solanaは現状運用されているブロックチェーンの中でも、代表的な存在の1つとして挙げられます。
SOLトークンの用途と現状
Solanaは、ネイティブトークンにSOLを備えています。
SOLは、主にSolana全体のプラットフォームを機能させるために利用されます。
代表的な用途は、以下のとおりです。
- ステーキング
- 取引手数料
(ガス代の支払い) - 投票などのガバナンス
どれもSolanaにとって、重要な役割を担っていることが分かりますね。
2022年5月の記事執筆時点でSOLの価格は8,800円、時価総額は約2兆9,000億円で、仮想通貨時価総額ランキングでは、7位に位置しています。
トークンセールの割当などについては、コチラのレポートで詳しく解説しています。
Solanaの特徴 = 高速処理+低コスト
Solanaの特徴はなんと言っても、処理性能の高さとコストの低さです。
2020年3月から本格的な運用が始まったのにもかからわず、記事執筆時点で既に700億件を超えるトランザクションを処理しています。
その一方で、平均的なガス代はトランザクションあたり「0.00025ドル」と少額です。
このような高い処理能力を実現している背景には、PoH(Proo of History)など、Solana独自の仕様が存在します。
PoHなど、Solanaが高い処理能力を実現している詳細については、CT Analysisの「Solanaプロジェクト概要レポート」で解説しています。
- Solanaについて詳しく知りたい!
- Solanaの技術・エコシステムを網羅的に知りたい!
- クリプトオタクとして成長したい!
と言った方は、ぜひ一度Solanaのレポートをご覧ください。
Solanaの代表的な4つのプロジェクト
Solanaの概要について分かったところで、「実際にどのようなプロジェクトがSolanaで構築・利用されているのか?」について解説していきます。
Solana関連で気になる以下のプロジェクトをピックアップしてご紹介していきます。
- Serum
- Raydium
- solsea
- Solend
1つ1つチェックしていきましょう。
Serum
Serumは、Solanaに構築されている代表的なDEX・プラットフォームです。
特徴として、オーダーブックを搭載していることが知られています。
Solanaに構築されているDeFi関連のプロダクトには、Serumのリソースを利用している事例が複数見られます。
記事執筆時点におけるTVLは4億ドル以上、Solana上のランキングでは4位に位置しており、大きな存在感を持っていることが分かりますね。
また、Serumの開発・運用などに伴って、大手仮想通貨取引所のFTXがサポートを行ってることも知られています。
Raydium
Raydiumは、Solanaに構築されており、なおかつSerumとも接続されているDEX。
Solana上に構築されていることから、処理性能の高さ・コストの低さには定評があります。
Serumと接続しているためSerumの流動性へのアクセスも可能です。
また、DEXとしては珍しく、指値注文ができます。
記事執筆時点におけるTVLは5億ドル以上、Solana上のランキングでは3位に位置しています。
solsea
solseaは、主にSolanaベースのNFTを扱っているNFTマーケットプレイスです。
Solana関連のNFTを扱っているマーケットプレイスでは、最もOpenSeaと似通ったマーケットプレイスとして知られており、機能面などはOpenSeaと同じ様に利用できます。
solseaは、ミント機能を実装したはじめてのSolanaベースのマーケットプレイスであり、個人でも気軽にNFTをミント可能です。
また、法定通貨の支払いも受け付けており、FTX Pay・Moon payなどが利用できます。
Solend
Solendは、Solanaに構築された仮想通貨の貸し借りが可能なプロジェクトです。
他のレンディング関連のプロジェクト同様、仮想通貨の預け入れで年利を受け取り、預けた仮想通貨を担保に仮想通貨の借入も可能です。
記事執筆時点で、Solana上では最もTVLが高く、10億ドル以上の金額がSolendにロックされています。
Solanaの利用方法・はじめ方
Solanaに構築されているさまざまなプロジェクトを見て、Solanaを利用してみたいと考えた方もいるかもしれません。
これから、Solanaを利用するまでの全体的な流れについてご紹介していきます。
Solanaの利用に必要なもの
Solanaのチェーンを利用する際には、ガス代の支払いなどにSOLが必要です。
しかし、このSOLは国内仮想通貨取引所では扱っていません。
そのため、仮想通貨をこれまで触ったことがないといったケースで、一からSolanaを利用しようとすると、以下のような下準備が必要です。
- 国内仮想通貨取引所への口座開設
- SOLを扱う海外仮想通貨取引所への口座開設
- Solana対応のウォレットの作成
特に、国内仮想通貨・海外仮想通貨取引所への口座開設などは時間がを要することもあるため、予め開設しておきましょう。
実際に利用するときの流れ
Solana関連のプロダクトを利用するには、以下のような手順が必要となります。
- 国内仮想通貨取引所で仮想通貨購入
- Binanceなどの海外仮想通貨取引所でSOLを購入
- Solana対応ウォレットへSOLなどを送金
- ウォレットとプロダクトを接続
(上記は一例で、プロダクトによって必要な手順は異なるケースがあります。)
既に国内仮想通貨取引所、海外仮想通貨取引所への口座開設が済んでいる方であれば、SOLの購入とウォレットの作成のみで利用可能です。
Solanaの注意点やリスク
これまでSolanaの概要から魅力的なポイントについて解説してきましたが、Solanaには他のチェーン同様に色々と潜在的なリスクが存在しています。
これから、Solanaに関する注意点・リスクについてご紹介していきます。
予期せぬトラブルが発生する可能性
予期せぬ技術的なトラブルというのは、Solanaに限らず、全てのチェーン・プロジェクトに対して、潜在的に見られるリスクです。
しかし、Solanaについてはいくつか実例があり、過去1年だけでも複数の事例が確認できます。
事例①:NFTの大量ミントによるクラッシュ
直近では日本時間5月1日に大量のトランザクションが原因で、ブロックの生成が停止するという事態が発生しました。
On April 30th, Solana’s Mainnet Beta cluster suffered a 7 hour outage caused by stalled consensus. Below is an investigation into the cause of the outage, and the steps core developers are taking to increase network resiliency and stability. https://t.co/pfkMTEwPda
— Solana Status (@SolanaStatus) May 3, 2022
Solanaのレポートによると、毎秒600万を超えるトランザクションの送信によって、ネットーワークがクラッシュしたとされています。
当時、Solanaのネットワークを担う各ノードに対して、100Gbpsを超えるトラフィックが確認されました。
背景として、ボットを使用したNFTの大量のミント、バリデーターのメモリ不足があると見られています。
その他の事例
実は、上記のような例に加えて、Solanaでは2021年9月・2022年1月にも似たような事例が確認されています。
2021年9月に関してはボットを利用した攻撃、2022年1月に関しても類似の原因によって、ネットワークが停止しました。
Resource exhaustion in the network is causing a denial of service, engineers are working towards a resolution. Validators are preparing for a potential restart if necessary.
— Solana Status (@SolanaStatus) September 14, 2021
どの事例にも共通しているのは、悪意・善意に掛からわず、ボットによるトランザクションの送信が影響している点です。
ただし、暗い話題ばかりではありません。
ここ数ヶ月〜1年ではクラッシュ・障害の情報が相次いでいるものの、例えば2022年5月1日の障害では2021年9月の障害よりも、1万%のトランザクションに耐えることができました。
単純計算で、100倍のトランザクションに耐えることができたということになります。
しかし、今後類似の事例が発生しないとは言い切れませんし、他のことを原因とする障害が発生し、致命的なものになる可能性もあります。
Solanaへの投資・Solanaネットワークの利用には、潜在的なリスクが伴うと押さえておきましょう。
詐欺などに遭う可能
Solanaに限ったリスクではないものの、チェーンの利用やSolanaで人気のNFTの売買などで、詐欺に遭遇する可能性も認識しておくべきリスクです。
特にNFTに関しては、Solanaにおいて複数の詐欺事例が報告されており、注意が必要です。
Damn.. @IconicsSol just RUGGED. Did a presale for 2K at .5 and made off with I think 1000 SOL.
FUCK YOU SCAMMERS!!
Sorry to anybody who took the L here. I minted a bunch also as art looked good. Lesson Learned.
Onwards, with that out of the way lets focus on the GOOD STUFF!
— S◎L Big Brain (33.3%) (@SOLBigBrain) September 30, 2021
また、NFTに限らず、仮想通貨には詐欺のリスクが常に潜んでいます。
何かを売買する・交換するといったウォレットを用いる行為については、細心の注意を払いましょう。
まとめ
この記事では、Solanaの概要から特徴、注意点などにフォーカスして、さまざまなポイントを解説しました。
Solanaは既に大規模なプロジェクトとなっており、FTXといった大きな後ろ盾もあるものの、まだまだ不安定なポイントも複数見られるチェーンです。
ただし、魅力的なポイントや将来性があるのも確かなので、今後も注目したいチェーンの1つと言えるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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