【市場分析】ビットコイン10万ドルで停滞も「嵐の前の静けさ」か｜歴史的低ボラティリティが示す価格爆発の予兆

ビットコイン（BTC）は、過去最高値に近い10万ドルから10万5000ドルの間で価格が停滞していますが、ブロックチェーン上のデータは依然として力強い状況です。専門家は、デリバティブ市場からの圧力が短期的な上値の重石になっていると指摘しつつも、今後の価格ブレイクアウトの可能性は残されているとの見方を示しています。

Our analyst Zack continues to monitor bitcoin’s volatility and update his price phases data.

The latest:

BTC continued its Acceleration Phase as it closed May 13 at $104,119 and 99% of addresses in profit—marking ten days of high-profit, high-volatility days so far in May.… pic.twitter.com/LM9rd5s5zu

— Chris Kuiper, CFA (@ChrisJKuiper) May 15, 2025

フィデリティ・デジタル・アセッツの調査担当VPであるクリス・カイパー氏によると、現在のビットコイン市場はウォレットの収益性が高い「加速フェーズ」にあり、歴史的には大きな価格変動につながる局面です。事実、5月13日には価格が10万4119ドルを記録し、99%のアドレスが利益を上げている状態でした。

しかし、価格は5月前半を通じて9万4000ドルから10万4000ドルの狭いレンジに留まっています。CryptoQuantの分析では、この背景にはデリバティブ市場での弱気な見方があると指摘。ビットコインが10万ドルを回復して以降、積極的な売り（ショートポジション）が買い（ロングポジション）を上回っており、これが価格上昇を抑える要因となっています。

一方で興味深いのは、ビットコインのボラティリティ（価格変動率）が歴史的な低水準にある点です。VanEckの調査によれば、ビットコインの30日間ボラティリティは、観測史上初めて金（ゴールド）のボラティリティを下回り、その比率は過去10年で最低の0.857を記録しました。

専門家は、デリバティブ市場の動向が短期的な障壁であるとしつつも、過去のパターンでは、ボラティリティが長期間抑制された後には大きな価格変動が起こりやすいと指摘しています。今後のビットコイン価格が再び大きく動くかどうかは、デリバティブ市場のフロー、マクロ経済環境、そして市場の流動性など、複数の要因にかかっていると言えるでしょう。