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2018/07/14ブロックチェーン検索に便利な5つのエクスプローラをご紹介
ブロックチェーンは誕生から長い年月が経過しました。ビットコインが誕生した当時のブロックチェーンは非常にシンプルなものでしたが、現在ではそれぞれ進化を遂げ、色々な機能が追加されています。 ブロックエクスプローラも時代の流れに合わせ、トランザクションの情報を検索するだけのものから、隠されたメッセージやブロック番号まで検索できるものに変わってきています。 そこで、今回の記事では、ブロックチェーン検索に便利な5つのエクスプローラをご紹介します。 そもそもブロックエクスプローラって何? ブロックエクスプローラは一言で言うとビットコイン(BTC)や他の仮想通貨が持つブロックチェーン(分散型台帳)の情報を検索するエンジンです。 ビットコインをはじめとする仮想通貨のブロックチェーンには、世界中で行われた取引の記録が記録されています。ブロックチェーンに記録されている情報は世界中に公開され、エクスプローラを使って検索することが可能です。 例えば、知人に仮想通貨で送金をしたけどまだ着金していないと言われた時や、特定のアドレスの過去の取引履歴を確認する際にエクスプローラを使うことができます。 また、ICOなどのときにETHをコントラクトアドレスに送金する際なども、エクスプローラーを利用すると自分が参加できたか、トークンが配布されたかなどがわかるようになります。 便利な5つのブロックエクスプローラ ブロックエクスプローラには非常に様々な種類があり、ブロックチェーンの種類によっても違ってきます。ここでは使いやすく、機能が豊富な5つのエクスプローラをご紹介します。 Blockchain.com Blockchain.comはつい最近までBlockchain.orgというアドレスで運営されていました。このサイトはビットコインのエクスプローラとしては世界でもっとも知られているサイトなのではないでしょうか。 今日現在ではブロックエクスプローラで様々な情報が検索できる中、Blockchain.comは比較的基本的な機能しか備えていませんが、シンプルで非常に使いやすいです。ブロック、トランザクション、アドレスなどの情報から検索をかけることができます。 多くの利用者に使われているようにBlockchain.comは信頼性があります。さらに、同サイトでは、過去24時間のビットコインのアクティビティや市場の動向をまとめたWealth of statsというページがあります。 Blockchair.com 「Search the blockchain world for anything(ブロックチェーンのいかなる情報を検索)」という説明を掲げるBlockchairはまさにその言葉の通りの仕上がりとなっています。 同サイトではビットコイン(BTC)のみならず、ビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)のプールサイズ、手数料、ノード数、難易度などの情報を検索することができます。 さらにBlockchairではブロックチェーン上の単語を検索することも可能となっています。これにより、ユーザーは自分の地元や子供の名前、お気に入りのスポーツチームなどがブロックチェーン上に記録されているのかどうかを確認することができます。 Tokenview.com Tokenviewは中国のデベロッパーチームによって開発されたマルチチェーンエクスプローラで、今年前半に公開されました。まだまだ公開からの日は浅く、翻訳などの面で荒削りな点は見受けられますが、同サイトがカバーするブロックチェーンの数はピカイチです。 このサイトでは、20以上の有名なブロックチェーンを検索することができ、複数のブロックチェーンを検索するには最高のツールとなっています。さらに、Tokenviewでは対応している全てのブロックチェーンのリッチリスト(保有量の多いウォレットのリスト)も見ることができ、検索以外にも使い道はたくさんありそうです。 Etherscan.io イーサリアムのブロックエクスプローラは数多く存在しますが、中でも一番有名なのは間違いなくこちらのEtherscanでしょう。 このエクスプローラはスマートコントラクトのアドレスを検索したり、ガスの価格(手数料)を検索したり、DEX(分散型取引所)のアクティビティを確認するのに向いています。 Etherscanが多くの人に使われている理由の一つにMetamaskやMyetherwalletなどといったイーサリアムベースのウォレットサービスにトークン残高を確認する目的で採用されているという点が挙げられます。 イーサスキャン(Etherscan)の使い方 | メリットと活用方法を解説 Bitcoin.com 最後にご紹介するBitcoin.comはその名の通り、Bitcoin.comが提供するブロックエクスプローラです。そのミニマリスト的に洗練されたシンプルなインターフェイスからは、ビットコインとビットコインキャッシュのトランザクションを簡単に検索することができます。 ユーザーはQRコードをスキャンしてウォレットの残高を確認することもできますし、ボタンでビットコインレガシーとセグウィットのメカニズムを切り替えることもできます。 まとめ 5つのブロックエクスプローラの中にみなさんのお気に入りのサイトはありましたでしょうか?もちろん、今回紹介したエクスプローラは存在するウェブサイトのうちのごく一部で、他にもたくさんのエクスプローラが存在します。 ぜひ自分が一番使いやすいと感じるお気に入りのエクスプローラを探してみてください。 記事参照元:Bitcoin.com
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2018/07/14中国のW杯オンライン賭博詐欺摘発で15億ドル相当のビットコインが押収される
この記事の3つのポイント! 中国のW杯オンライン賭博詐欺が大規模摘発される ビットコインを含む仮想通貨15億ドル相当が押収される 仮想通貨の普及がオンライン賭博詐欺などの増加を助長している背景も 記事ソース:$1.5 billion Bitcoin [BTC] fraud caught by Chinese police: World Cup 2018 2018 FIFAワールドカップ ロシア大会に合わせて様々なオンライン賭博サービスを目にしますが、中国ではオンライン賭博詐欺の摘発によりビットコインを含む15億ドル相当もの仮想通貨が押収されたと報じられました。 広東省公安庁のウェブサイトによると、ワールドカップの開催に合わせたオンライン賭博詐欺の大規模摘発により、15億ドル相当のビットコインその他仮想通貨が広東警察により押収され、さらに多くの容疑者の逮捕に至ったそうです。 逮捕された容疑者の数は540人以上にもなり、さらにソーシャルネットワーキングプラットフォームでのチャットグループ約250個が閉鎖される事態に発展しています。 摘発された賭博詐欺のプラットフォームではビットコインやイーサリアム、ライトコインによる賭博が可能で、現地の多くのギャングなどがワールドカップ開催中にこれらのソーシャルプラットフォームを活用していたようです。 広東省公安庁の関係者は次のように述べています。 ”公安諸機関は今後もオンライン賭博に対して大きな圧力をかけていくつもりです。 同時に、オンライン賭博プラットフォームの開設やそれら賭博行為に関与することは違法であり、犯罪行為と見なされます。” オンライン賭博による犯罪や詐欺はここ数年で増加しており、とくに仮想通貨の普及がこれらの詐欺行為をより容易にしている背景もあるようです。 Daichi 日本では賭博行為は禁止されていますが、ワールドカップのブックメーカーなども所謂グレーゾーンになるのでしょうか。。。
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2018/07/14兵庫県警が日本で初めて駐車金違反で仮想通貨を差し押さえ
日経新聞は今月12日に、兵庫県警が駐車違反金の滞納をしていた男性から仮想通貨3800円相当を差し押さえていたと報じました。県警交通指導課によると、日本国内で駐車違反金を理由に仮想通貨を差し押さえるのは初めての事例です。 駐車違反関連での仮想通貨差し押さえは全国初 対象となった県内在住の男性(59歳)は、2014年から16年の2年間で駐車違反を4回繰り返した後に違反金の10万円を滞納していました。県警が差し押さえた仮想通貨は、男性が業者に預けていたビットコインを含む二種類の通貨で、10日時点のレートでは3800円相当でした。 兵庫県警の県警交通指導課は昨年4月に改正された資金決済法によって仮想通貨が法律上資産として認められたという事実を踏まえて、仮想通貨の差し押さえに踏み切りました。 一般的に差し押さえの対象となるのは銀行口座や給料ですが、男性は預貯金が一切なく、職業も不明だったため差し押さえ可能だった仮想通貨を差し押さえたとしています。男性が今月下旬までに滞納している違反金を納付しなければ仮想通貨は業者によって現金化され、県警に支払われます。 kaz 3800円相当って違反金一回分にも満たないんじゃ…?
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2018/07/14仮想通貨が次世代の決済手段としての機能を有しているとする、新たな研究結果が報じられる
この記事の3つのポイント! 新たな研究が次世代の取引手段としての仮想通貨の可能性を示唆 仮想通貨が既存の主流取引手段取って代わる 仮想通貨はすでに貨幣の三大機能のうち「価値貯蔵」機能を有している 記事ソース:Bitcoin [BTC] and others are evolutionary to our economy, implies a new study 次世代の取引手段としての仮想通貨の可能性を示唆した新たな研究結果が報じられました。 インペリアル・カレッジ・ロンドンとeToroの共同研究は、ビットコインやその他のアルトコインは次世代の通貨として、既存の主流な取引手段に取って代わる可能性があると示唆しました。 研究者等によると、これまでの伝統的な貨幣の三大機能である「価値貯蔵(store of value)」、「流通手段(medium of exchange)」、「価値尺度(unit of account)」の3つの点においてビットコインやその他の仮想通貨を研究したところ、仮想通貨はすでに「価値貯蔵」の機能を有しているといいます。 これは、現在世界中で見られる仮想通貨での投資、取引、モノやサービスの購入などのことです。 残る2つの機能を満たすには、スケーラビリティやレギュレーションなどが障壁になります。 同大学の教授で今回の研究に携わったWilliam Knottenbelt氏は次のように述べました。 ”日々ややこしい専門用語を新たに耳にするように、仮想通貨の世界は凄まじい速度で発展している。 このような分散化技術の発展は、私たちがよく知る金融システムや資産の概念を大きく変えてしまうかもしれない。” Bitcoin [BTC] and others are evolutionary to our economy, implies a new study Daichi 現実世界での活用が普及するにはまだ少し時間がかかりそうですが、そう遠くない未来には仮想通貨での取引が当たり前になっているかもしれませんね
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2018/07/13米・銃規制国民投票にイーサリアムブロックチェーンを使用
この記事の3つのポイント! 米国の銃規制をめぐる国民投票でイーサリアムブロックチェーンが使用される 豪州の民間企業MiVoteと米国の活動団体Orange Generationによる共同発表 10月の国民投票ではMiVoteのウェブサイトを介して投票が行われる 記事ソース:Ethereum [ETH]’s blockchain to be used in gun violence prevention vote アメリカでの銃規制をめぐる投票にイーサリアムブロックチェーンが使用されると報じられました。 今年10月に迎える銃規制をめぐる投票を前に今月9日に開催されたイベントにおいて、MiVoteとOrange Generationによって共同発表されました。 https://twitter.com/MiVote/status/1016120121826463749 今年10月に行われる予定の国民投票では、MiVoteのウェブサイトを介して投票が行われるようです。 MiVoteはオーストラリアのインフォメーションプラットフォームで、国や社会に関わる事柄において、人々がより詳細かつ十分な情報をもとに決定できるよう、MiVote Appを運営しています。 Orange Generation は銃規制や取締法の制定、それによる銃器による事件の減少や防止を目的とした団体で、銃器の取り扱いに関する改革のための建設的な対話の実現を目指しています。 MiVoteのアメリカ支部創設者であるAdam Jacoby氏は、Codexによる「世界のトップイノベーター50人」に選ばれています。 Daichi 民間企業と国の連携によって、このような動きはますます加速していきそうですね。
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2018/07/13リヤド自治体がIBMと提携してブロックチェーンを政府サービスに採用へ
この記事の3つのポイント!1.リヤド自治体がIBMと提携し、ブロックチェーンを政府サービスに応用する計画を発表 2.プロジェクトは実質的に自治体、IBM、Elmの三者で進められていく 3.同プロジェクトはサウジアラビアが掲げるSaudi Vision 2030の一部 記事ソース:ITP.net サウジアラビアの首都リヤドの自治体はIBMと提携し、政府のサービスや取引をブロックチェーン上で展開する予定だと報じられました。 サウジアラビアは石油に依存した経済からの脱却を目指す ITP.netによると、IBMはリヤド自治体のテクノロジーパートナーであるElm社と提携し、市民に提供する政府サービスやトランザクションをブロックチェーン上で展開するためのシステムを構築する予定です。 リヤド自治体、IBM、Elmの三者は政府関係機関とワークショップを開催し、どのサービスにブロックチェーンテクノロジーを導入できるのか決定するとしています。 当初はIBMがブロックチェーンを駆使したソリューションを開発する予定でしたが、自治体とElmとの提携により、三者が連携するという形になったようです。 IBMサウジアラビアでジェネラルマネージャーを務めるTarek Zarg El Aioun氏は以下のように述べました。 「リヤド自治体とElm、IBMのコラボレーションにより、我々はサウジアラビア政府が市民、訪問者、企業へのサービスの提供方法を再構築するのを支えることができる。」 今回の政府サービスへのブロックチェーンの応用はサウジアラビアが掲げるSaudi Vision 2030の一部として進めていく模様です。サウジアラビアは同プロジェクトで石油に依存した経済からの脱却を図ろうとしています。 kaz ブロックチェーンの組み込みといえばIBM感が出てきてるな
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2018/07/13カナダのBTC(ビットコイン)所有者が一年で倍増
この記事の3つのポイント! カナダのビットコイン所有者が一年で倍増 2016年に2.9%だった所有者率が5.0%まで増加 カナダ銀行が今後のビットコインの普及調査の重要性を示唆 記事ソース:Bitcoin [BTC] ownership doubled in Canada over the last year, shows survey カナダ銀行がビットコインの普及度を調査するため行ったビットコインオムニバス調査の結果を公表し、国内のビットコイン所有者が前年に比べほぼ倍増していると報じられました。 2017年12月に2,623人を対象に行われた調査によると、2016年に2.9%だったビットコイン所有率は今回の調査で5.0%に増加し、さらにすでにビットコインについて知っている人の所有率には大きな変化は見られなかったことから、新しくビットコインについて知り、所有し始めた人が多いのではないかと分析しています。 また、同調査によるとビットコインの認知度は64%から85%に増加し、ビットコイン所有の目的としては投資が第一位となり、実際にモノやサービスの購入や送金にしようしているのは所有者の約半数程度ということです。 カナダ銀行は今回の調査について、ビットコインの潜在的な力は、銀行としてその中心となる機能である貨幣の生産と分配をどのように担っていくかに影響する可能性があるとし、今回の調査の意義を示唆しました。 Daichi 世界初のビットコインATMが設置されたのもカナダだったのを思い出しました
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2018/07/13My Ether Walletが注意喚起、VPNサービスがハックされ個人情報流出の危険性
この記事の3つのポイント! MyEtherWalletがセキュリティ侵害にさらされ注意喚起 VPNサービスHolaのChrome拡張機能がハックされ個人情報流出の危険性 新しいアカウントへ早急に通貨を移動するよう呼びかけている 記事ソース:MyEtherWallet [MEW]: Most popular VPN service hacked again 仮想通貨を管理できるデスクトップウォレットとして有名なMyEtherWallet(MEW)がセキュリティ侵害にさらされたと報じられました。 MyEtherWallet.com公式ツイッターアカウントによると、VPNサービスである「Hola」のChrome拡張機能が約5時間に渡りハックされました。 この間に「Hola」のChrome拡張機能を使用したVPN接続でMEWにアクセスしていたユーザーはログイン情報などが流出し、アカウントのアクティビティが不正に利用される危険性があるとし、該当するユーザーは早急に新しいアカウントへ通貨を移動するよう呼びかけています。 https://twitter.com/myetherwallet/status/1016542460552495104 MEWは今年2月にもハッキングによる被害を受けており、DNS攻撃によって総額365,000ドル相当の仮想通貨がユーザーから盗まれる事態に発展しています。 今回のハッキングに関して同社は、ロシアのIPアドレスによる攻撃ではないかとしています。 今回のセキュリティ侵害によって被害を受けたユーザーの数などは未だ発表されていません。 Daichi Chromeの拡張機能を装ったマルウェアなども最近よく耳にするので、インストールする前によく注意する必要がありますね
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2018/07/13eToroが仮想通貨は今後10年間の間にメインストリームの支払い方法になると主張
この記事の3つのポイント! 1.英取引所のeToroが仮想通貨は今後10年間で支払いのメインストリームになると発表 2.レポートでは仮想通貨はすでにお金の機能のうちの1つを満たしていると主張 3.一方で仮想通貨には乗り越えるべき6つの課題が存在する 記事ソース:CISION イギリスの仮想通貨取引所であるeToroはインペリアル・カレッジ・ロンドンと提携して行なった調査・研究の結果を発表し、仮想通貨は今後10年間でメインストリームの支払い方法になる可能性があるとしました。 仮想通貨がお金の条件のうち1つをすでに満たしている 「仮想通貨:信頼と適応の壁を乗り越える」と題されたレポートの中でインペリアル・カレッジのWilliam Knottenbelt教授らは仮想通貨はお金の持つ価値の尺度と交換の媒介、価値の保存という3つの性質のうち、価値の保存をすでに満たしていると主張しました。 残りの2つの条件を満たすにはスケーラビリティ、規制、ユーザビリティ、ボラティリティ、インセンティブ、プライバシーの6つの課題を乗り越える必要があると話します。 「人々はその考えは間違っているにも関わらず、お金の価値観を固定化し、それが永久に続くものだと信じてきた。お金の歴史は進化の歴史でもあります。新たな技術は古い技術を置き換え、人から人へ価値を移すことに貢献します。仮想通貨はこの一連の流れに置ける次のステップを示しています。」 eToroのマネージング・ディレクターを務めるIqbal V. Gandham氏は最初にEメールが送られた1971年からそれが普及するまでに30年ほどかかったことを指摘し、新たな決済方法は一夜にして現れないと主張します。 kaz 必ずしも仮想通貨じゃなくて電子マネーとかでも良いような…
レポート
2018/07/12【イベントレポート】Smart Contract Meeting for Real Use
今回は、先日Gunosy社にて開催された『Smart Contract Meeting for Real Use』というイベントのレポートを書いていきたいと思います。 本イベントは東大ブロックチェーン開発団体BitPenguin様の主催によるもので、スマートコントラクト技術における課題および解決策に焦点を当てたものです。 ゲストとして『ZOOM』を運営するGunosy社のOsuke氏、ブロックチェーン開発を行っているプロジェクトTezos、ロシアのスマートコントラクト実用化プロジェクトKIRIKが参加し、スマートコントラクト技術を中心とした話が展開されていました。 Osukeさん:スマートコントラクトの課題と新技術 一人目のゲストとして、ブロックチェーン技術に関する情報サイト『ZOOM』の運営であるOsuke氏による講演が行われました。 Osuke氏はイーサリアムのスマートコントラクトはチューリング完全で、柔軟なインセンティブ設計が可能であることを説明しました。 続いて、代表的なスマートコントラクトの課題の一つであるオラクル問題を挙げ、それに対処しているシェアリングサービスの一例としてORIGIN PROTOCOLについて説明を行いました。 ORIGIN PROTOCOLでは、スマートコントラクトのインセンティブ設計を用いてサービス利用者の不正を防ぐ試みを行っています。また、開発者チームによる勝手なシステムアップグレードではなく、トークンホルダーによる投票でそれを決める仕組みを取っているそうです。 最後に、ブロックチェーンとスマートコントラクトを利用したdappsの開発を積極的にしていくことを説き、講演を終えました。 Tezos Simon氏による講演 続いて、Tezos Japan Leadership TeamのSimon Barducci氏による講演の様子です。 ビットコインと共に生まれたブロックチェーン技術の特徴として『非中央集権性』を取り上げ、画期的ではあるが使う人により使用者によっては賛否が分かれることを話しました。 また、スマートコントラクトにより多くのアプリケーションが誕生したことにも触れました。Tezosのスマートコントラクトは、ガバナンスの仕組みをしっかり構成しそれをコンセンサスで制御することでワークする形を目指しているそうです。 KIRIK:スマートコントラクト実用化の課題とソリューション 続いては、ロシア発のスマートコントラクト実用化プロジェクトKIRIKによる講演です。登壇者はCEOのVitaly Gumilov氏とCMOのEduard Dzhamgaryan氏です。 KIRIKは実際のビジネスとブロックチェーンのつながりを重視して開発を行っているため、スマートコントラクトがより簡単に実用化されるように、その単純化を実現することが出来るそうです。 KIRIKは大きく『KIRIKブロックチェーン』と『KIRIKセマンティック・コントラクト』により構成されます。前者はEthashのマイニングアルゴリズムを採用しており、独自通貨であるKRKコインを維持管理する働きをします。 KIRIKが提供するセマンティック・コントラクトは、KIRIKブロックチェーンから分離しており、IOTAのタングルに固定されたセマンティックノードが処理を行います。 セマンティック・コントラクトはAIを利用することで、従来のスマートコントラクトの弱点を補完したものとなっています。 イーサリアムのコントラクトは、仕様書から一度プログラマーによるSolidity化を通す必要があります。しかし、KIRIKの提供するセマンティック・コントラクトは、仕様書のまま実行することができます。また、KIRIKのビジュアルエディタを利用することで、セマンティックコントラクトの草案作成を容易に行うことも可能になります。 KIRIKはAIを用いることで、誰にでもわかりやすく使いやすいスマートコントラクトの実現を目指しています。 各SNSチャンネルへの参加はこちらから 日本語Twitter 日本語Telegram Q&A 最後に、ゲスト参加者の方々によるQ&Aが行なわれました。 Q. KIRIKセマンティック・コントラクトにおける、草案からコード化への具体的なプロセスを教えて下さい。 A. (KIRIKチーム)いくつかのコード化ロジックを利用しています。現在は半自動化でコード化が行われていますが、将来的にはAIを用いた全自動を目指しています。セマンティックコントラクトの概念自体は2014年から存在し、これから英語での情報も増えていくので、ぜひ皆さん調べてみて下さい。 Q. KIRIKのシステムの評価システムは存在しますか? A. (KIRIKチーム)私たちは非営利で活動をしていますが、顧客の方々が私たちのサービスを利用するかどうかが評価に繋がると思っています。 Q. どのようなお客様にスマートコントラクト技術を使ってもらいたいですか? A. (KIRIKチーム)様々な業界から私達の技術を使いたいという声が掛かっているのですが、教育プログラムを設けて技術を広げていくことが大事だと思っています。私たちはオープンソースなので、産業全体に貢献することができる、特に教育業界には優先度を置いています。 (Tezos Simon氏)私も教育が大事だと思います。とにかくプロトタイプを作成し、それを拡大させていくことが大事です。簡単なことではないですが、トークンエコノミーを広げていくために先陣を切る人々が必要だと思います。 交流会 全てのセッションが終わった後は参加者の皆で軽食を挟んだ交流会が行われました。こちらがその様子です。 各々が気になる点をプロジェクト側に質問したり、参加者同士で交流したりと盛り上がっていました まとめ スマートコントラクトに対するゲストの方々の意見や解決策について深い話を聞くことができたイベントでした。現在はスマートコントラクトの利用が一般人には難しく、敷居の高いものとなっています。しかし、KIRIKのセマンティック・コントラクトなどが完成すれば、誰にでも利用できるようになります。 トークンの価格ばかりが注目される仮想通貨ですが、このようなイベントに参加し、背景となる技術について学ぶこともまた大事なことでしょう。