プライバシー強化の超高速レイヤー1ブロックチェーン「Aleph Zero」AMAレポート

2024/07/12・

boarding bridge

プライバシー強化の超高速レイヤー1ブロックチェーン「Aleph Zero」AMAレポート

執筆:MARU

DeFiやゲーム、エンタープライズまで、複数の業種にわたって、スケーラブルで安全、低コストかつゼロ知識プライバシー(ZKプライバシー)を備えたプロダクトを展開できるようにするレイヤー1ブロックチェーンであるAleph ZeroとのAMAを、CryptoTimes公式コミュニティであるboarding bridge(bb)にて開催しました。今回のAMAでは、Aleph Zeroのプロジェクトの概要や、Aleph Zeroの独自技術の強み、EVMへの拡張について伺いました。

以下はAMAの内容を要約したものです。

イベント概要

日時:2024年7月3日(水)22:00 JST

場所:bb Discord AMA-Voice/Chat

Giveaway:$100 in AZERO × 5名

参加者:348名

スピーカー

Antoni | Aleph Zero Co-founder

Takman | boarding bridge

Kiyu | boarding bridge

(敬称略)

AMAの内容

自己紹介

私はAleph Zeroの共同設立者のAntoni Żółciakです。プロジェクトのビジネス、運用、マーケティングに注力していて、50人を超える優秀なチームと協力し、Aleph Zeroが提供する便利で高速なプライバシー保護技術をWeb3の世界に実現するために働いています。

独自のレイヤー1としてAleph Zeroを立ち上げた背景を教えてください

当時(2019年)、私たちはブロックチェーンのスピード、スケーラビリティ、セキュリティに関する非効率性を目の当たりにしていたのがきっかけでレイヤー1ソリューションをスタートさせました。

共同創設者であるMichałとAdamは、他のチームメンバーとともに、コンセンサスレベルでのソリューション「AlephBFT」を提案しました。この独創的な技術は「AFT2019カンファレンス」で査読を受けた科学的ホワイトペーパーに記載されました。

メインネットは2021年11月にローンチしており、それ以来今日に至るまで、1秒以下のトランザクションファイナリティと100%のアップタイムを維持してきました。

これらの指標は、業界トップレベルです。しかしその過程で、ブロックチェーンの普及を阻むもの、あるいは企業の参入を阻むものはプライバシーであることも分かってきました。金融業界の多くの企業にとって、情報は競争優位性であり、企業は顧客のプライバシーを守る必要があるからです。この問題は個人にとっても同じです。例えば周りに知られることなく自分の年齢を証明するにはどうすればいいのか。これに取り組むのがAleph Zeroであり、ユニークな価値提案です。

企業や個人が利用するレイヤー1として、スピード、セキュリティ、スケーラビリティを提供し、オンチェーンの透明性とプライバシーのバランスをとりながら持続的にネットワークを規制に準拠させる最適なソリューションです。

主要チェーンとAleph Zeroの比較 | Crypto Times

Aleph Zeroが持つ独自の技術基盤について教えてください

Aleph Zeroのベースはプライバシー、パフォーマンス、ユーザー体験です。

最近、Arbitrum OrbitスタックとGelato RaaSを使ったレイヤー2「Aleph Zero EVM」を発表しました。これにより、Aleph ZeroはEVMに拡張しました。このように、私たちはレイヤー1だけでなく、より広範なEthereumエコシステムにおいても、オンチェーンプライバシーにまつわる問題を解決することを目指しています。

このプライバシーを強化する機能一式を「zkOS」と呼んでいます。これは、1秒以下のZK証明の生成時間を達成した初のクライアントサイドZKプライバシーシステムです。私たちの調査では、これは他のプライバシーソリューションと比較して桁違いに速いです。

開発者がゼロ知識証明を取り入れるには複雑な暗号知識が必要ですが、私たちは既存のアプリにプライバシーをできるだけ簡単に追加するためのツールセット「zkToolkit」によってそれも解決しています。これらはWASMレイヤー1とEVMレイヤー2の両方でサポートされ、Aleph Zeroレイヤー1がAleph Zero EVMのデータ可用性レイヤーとして動作することで、ユーザーに柔軟性を与えています。

コンプライアンス部分は、「ZK-ID」と呼ばれているものによって保証されています。これは、idOSで構築されたシステムで、認証されたユーザーだけがプライベート設定に入ることができるようにするものです。

私は個人的に、オンチェーンアクティビティにプライバシーを追加することで、Web3スペース全体をさらに豊かにすることができると信じています!

Polkadot基盤のいくつかのチェーンは、Ethereum L2へ展開しています。これについて意見を聞かせてください

Ethereumは非常に大きくて人気のあるエコシステムであり、たとえ技術的に優れた非EVMのブロックチェーン技術(例えばSubstrate)があったとしても、Ethereumと直接統合するには多大な時間とコストがかかります。

非EVM技術をEthereumエコシステムと統合するには、特別な統合方法を作る必要があり、その間に他のEVMネットワークの統合を停止することでビジネスチャンスを逃す可能性があります。また、WASMを統合するたびに社内の開発者リソースを割り当てる必要があるため、大きな負担となります

したがってEVM側と足並みを揃える上では、プロジェクト開発の効率性が焦点です。最近では、数ある技術スタックを使用してEthereumレイヤー2を立ち上げることがかなり簡単です。私たちもこの方法でAleph Zero EVMレイヤー2を構築し、クラス最高のZKプライバシーを提供しています。

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Aleph Zero L2 Ecosystem | Gelato 公式X

Aleph Zeroエコシステムを拡大するための戦略について教えてください

私たちのプロジェクトは持続可能な成長を目指しており、開発者、個人ユーザー、企業の3つのターゲットグループに対して、特別な取り組みを行っています。

開発者にはオンボーディングパスを提供します。更に開発者サポートチャンネルを用意し、WaveHackのようなハッカソンを主催しています。また、エコシステム・ファンディング・プログラムを運営し、助成金から技術、ビジネス、アドバイザリー・サポートまで、ホリスティックな方法で開発者を支援しています。企業には近々、web3専用のオンボーディングを提供する新しいエンタープライズ・プログラムを開始する予定です。個人ユーザーにはソーシャルメディアを通じて価値を伝えます。最終的に、ユーザーが愛用するプロダクトを提供することが最も重要だと思っています。

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Aleph Zero Ecosystem overview | House of Chimera

日本での今後の取り組みやイベントなどがあれば教えてください

Far East Blockchain社との協力で日本での活動を強化することを嬉しく思っています。特にゲーム分野では、Aleph Zeroの高速な技術とプライバシー保護機能が役立ちます。8月28日・29日に開催されるWebX Asiaで皆さんと会えるのを楽しみにしています

なぜ日本に注目したのですか?

常に革新的な市場であり、欧州諸国と日本の間ではこれまで数多くの研究開発協力が行われてきました。私たちは日本と日本人が新しい技術に興味を持っていることを非常に高く評価しており、日本市場についてさらに学ぶことに強い関心を持っています。

どのようなバリデーターが参加していますか?

コミュニティバリデーターからファンドバリデーター、Deutsche Telekom や Saudi Telecom などのエンタープライズバリデーターまで、あらゆるバリデーターがサポートしています。現在、ネットワークには 160 を超えるバリデーターノードがあります。

Aleph Zeroの最も重要な特徴は何ですか?

プライバシーとパフォーマンスとユーザー エクスペリエンスです。

インフレ率の変更に関してどのように議論されていますか?

私たちは Syncra チームと協力して、できるだけ早くガバナンスプラットフォームを立ち上げようとしています。その後はコミュニティがインフレについて決定します。コアチームと貢献者は、エコシステムにとって最善のものを望んでいます。

既存のプライバシーソリューションに対する優位性を教えてください

現在のブロックチェーン技術では、完全なプライバシーは提供されていません。Aleph Zeroは、zkOSを使って非常に迅速にプライベート化し(1~2秒)、プライベート投票やプライバシーオーダーブックDEX、ゼロ知識アイデンティティシステムなどの新しいユースケースを生み出すことができます。

コミュニティとして何か一緒にできることはありますか?

気に入ったアプリを使用してください。これは間違いなく役立ちます。また、第3四半期のプライバシー機能リリース後には、ぜひフィードバックをお聞かせください。

まとめ

今回のAMAでは、Aleph Zeroの共同創設者のAntoni氏が登場し、Aleph Zeroのプロジェクトの概要や、Aleph Zeroの独自技術の強み、EVMへの拡張について詳しく話しました。

Aleph Zeroは、その高速でプライベートなブロックチェーン技術を通じて、Web3業界において重要な存在となることを目指しています。開発者は革新的なアプリケーションを構築しやすくなり、企業はデータの安全性とプライバシーを確保しながら、ブロックチェーンを利用した新たなビジネスモデルを探求できるでしょう。また、個人ユーザーにとっても、安全でプライベートなオンライン体験を提供し、デジタルアイデンティティの管理を改善することが期待されます。

プライバシーを重視する企業がAleph ZeroによってWeb3業界に参入することで、Web3の普及を推進する重要な役割を果たすプロジェクトになっていくのではないでしょうか。今後のAleph Zeroの発展を見守っていきましょう。

Aleph Zero

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