Libra(リブラ)の未来はどうなる? 〜公聴会を経て〜

2019/10/24・

Yuya

Libra(リブラ)の未来はどうなる? 〜公聴会を経て〜

米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは23日、米国の下院金融サービス委員会で同社主導のブロックチェーンプロジェクト「Libra(リブラ)」に関する証言を行いました。

リブラは6月のプロジェクト発表当時から批判の対象となっています。各国の規制当局が特に懸念しているのは、リブラがテロリスト・犯罪組織の資金繰りを助長することや世界経済を脅かすこと、フェイスブックが膨大なユーザーデータをコントロールできてしまうことなどです。

フェイスブックは過去にデータ漏えいなどの過失を犯したこともあり、米国をはじめとする各国政府はリブラのローンチに猛反対していることが現状となっています。

ザッカーバーグ氏は証言で、リブラが規制当局の賛同を得られない場合、フェイスブックはリブラ協会から脱退すると述べました。リブラ協会はブロックチェーンのバリデーションやガバナンスを司る団体で、現在22の大企業によって構成されています。

つまりこれは、仮にフェイスブック以外の21社がプロジェクトを継続すると決めた場合でも、規制当局の認可がなければフェイスブックは協会から身を引くという意味です。

同氏は、リブラ開発の目的は世界の金融包摂を充実させるためとした上で、「フェイスブックは大企業であるため、規制に準拠していないものや分散型でないものに参加することはない」と規制当局と協調していく姿勢を示しました。

米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、リブラ発表の約1ヶ月後にリアルタイム決済システム「FedNow Service」を2023~24年にリリースすることを発表しています。

FedNow Serviceの根本的な技術がリブラと類似しているかはわからない一方、同システムが決済サービスとしてリブラと競合する可能性は大いにあります。

これが米国による「リブラ潰し」であるかはわかりませんが、政府が一部企業に協会脱退の圧力を掛ける文書を送っていたこともわかっており、同国がリブラを当面認可しないのはある程度予想できます。

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