EUでステーブルコイン発行開始のCircle、今後の展望語る
Crypto Times 編集部
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Circle社のCEO、ジェレミー・アレール氏が、欧州連合(EU)域内でのステーブルコインUSDC、EURC発行開始にあたりインタビューに応じ、1年以上かかったEUライセンス取得の背景や、今後のヨーロッパや世界各地での戦略について語りました。
🎙️ “We are making a long term bet, and this bet is that this form of money, different currency that operates on public blockchains, that is a legal form of electronic money, is a superior form of money”
Find the exclusive interview of @Louis_Tellier with @jerallaire (CEO of… pic.twitter.com/gbZFJ8nCJj
— The Big Whale 🐳 (@TheBigWhale_) July 2, 2024
アレール氏によると、EUでのステーブルコイン発行までに1年以上の時間を要した要因として、EUの仮想通貨規制枠組みである「MiCA」が全く新しい制度である点を挙げました。
さらに、サークル社が米国で規制を受けていることも影響したと同氏。すでに米規制当局の元で発行されているUSDCを新たにEUで展開するにあたり米規制当局以外の法域の規制当局に納得してもらう必要があったと述べています。
ステーブルコイン市場の成長とCircle社の優位性
アレール氏は「すでにステーブルコインは、取引プラットフォームにおいて、現金のような手段を使用する際の好ましい方法になりつつある。私たちは、この流れをさらに加速させ、市場シェアを拡大していくことを目指している」とステーブルコイン市場が大きく成長する可能性を指摘しました。
MiCAによってEU内での事業展開の法的確実性が高まるなか、プラットフォームがサポートできる対象に関する要件は厳しくなっており、Cirlce社は市場シェアを拡大していく上で非常に有利な立場にいるとアレール氏は述べています。
MiCAでは、EU域内で取得したライセンスを他のEU加盟国でも利用できる「パスポート制度」が導入されるため、Circle社は事業開発、コンプライアンス、オペレーション、セールス、マーケティング、ポリシーなど、あらゆる分野に多大な投資を行っており、EU全域での事業展開を図っているとしています。
アレール氏によると、今後Circle社は、アジアや南米、日本など、世界各国での事業展開も目指していく予定で、同氏が考えるステーブルコインの普及に必要な3つの要素(「法的確実性」「高性能なインフラストラクチャ」「優れたユーザーエクスペリエンス」)が揃いつつある今、今後数年間でステーブルコインが世界中で広く利用されるようになると予想しているといいます。
米ドルの危機を指摘してきたアレール氏
アレール氏は昨年6月、世界の外貨準備高に占めるドルの割合が過去6年間、毎年平均約1%減少しているという現状を指摘し、「地政学的な要因により、第二次世界大戦後に築かれたドル基軸の世界金融システムに大きな圧力がかかっている」と米国下院の公聴会で発言しました。
My written testimony for @FinancialCmte Congressional hearing tomorrow. https://t.co/NBMbOvSZ07
— Jeremy Allaire – jda.eth (@jerallaire) June 12, 2023
さらに「米政府が適切な対策を講じなければ、今後数年間で米国経済に壊滅的な結果をもたらす可能性がある」と同氏は警告。ドルが重大な局面に立たされていることを強く訴えました。
アレール氏はインターネット上で安全かつ確実に米ドルにアクセスできる仕組みの重要性を当初より訴えており、ステーブルコインやブロックチェーンネットワークは数十億人のユーザーと数十兆ドルの決済活動をサポートできる可能性があると指摘していました。
今回、米ドルペッグのUSDCがEUエリアで発行開始となったことで、ドルの優位性や権威性が向上する可能性があります。
BRICS加盟国が自国通貨の使用を推進し米ドルからの脱却を図る動きを進めるなか、今回のCircle社のEUでの取り組みに注目が集まります。
記事ソース:The Big Whale