米仮想通貨重要法案、DeFi規制を修正|米上院15日採決へ

米仮想通貨重要法案、DeFi規制を修正|米上院15日採決へ

米上院共和党が暗号資産(仮想通貨)の市場構造を定める「CLARITY法案」の修正案を公開しました。630ページに及ぶ案では、DeFi(分散型金融)の運営に実質的な支配力を持つ人物や集団に対し、既存の金融規制をどう適用するかを明確化しています。

法案は米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)による暗号資産市場の監督の枠組みを整備するものです。今回の修正では、分散型とされるサービスでも特定の管理者が重要な機能や運営ルールを変更できる場合などの扱いが焦点となっています。

具体的には人物や集団がサービスの機能を大きく変更したり、利用者のアクセスを制限したりできるかを確認します。取引があらかじめ公開されたプログラムだけで処理されているかも含め、サービスの名称ではなく、運営主体の権限や実際の業務内容に基づいて判断する構成です。

一方、ソフトウェアや分散型台帳そのものに登録を要求しないことも明記されました。事故対応やセキュリティー対策のための組織に参加していることだけを理由にサービスを支配していると判断しない規定も盛り込まれています。

上院では現地時間9月15日、法案の審議を進めるための手続き上の採決が予定。通過には60票が必要です。また、この採決は法案の成立そのものを決める最終採決とは異なる点には注意が必要です。

拡大するDeFi市場、規制の線引きが急務か

法案がDeFIの扱いに踏み込んだ背景には市場の拡大があります。

DeFi最大手のレンディングサービスであるAaveは預かり資産が170億ドルを超え、同じくレンディングのMorphoも直近1カ月で預かり資産を2割以上増やしました。2020〜2021年のブームが高利回りへの投機を軸にしていたのに対し、足元ではステーブルコインやトークン化された株式といった既存の金融資産が流入している点が異なります。

株式のトークン化はすでに一定の規模に達しています。9月10日時点でトークン化株式の残高は約29億ドルに達し、保有者は300万人を超えに。直近の事例では、Nasdaqが暗号資産取引所Krakenの親会社に1億ドルを投資して上場株のトークン化を進めるほか、米証券決済大手DTCCも10月に本番サービスを控えています。トークン化された株式が増えればそれらを売買する取引所や担保にして借り入れる仕組みが必要になり、その受け皿がDeFiになるという構図です。

既存金融の資金が流入するほど「分散型」という名称と実態の乖離も問われます。イーサリアム上の主要48のDAO(分散型自律組織)を分析した2026年の研究では上位10の保有者が投票権の過半を握る組織が39にのぼりました。

今回の修正案が名称ではなく権限の所在で線引きする構成をとったのはこうした実態を踏まえたものである可能性があります。暗号資産市場は米国の動向に大きな影響を受ける傾向にあり、引き続き同法案に注目が集まります。

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