【今日のマクロ経済】利上げ観測後退も止まらない債券売り、「行き過ぎ」との見方も

2026/10/01・

よきょい

【今日のマクロ経済】利上げ観測後退も止まらない債券売り、「行き過ぎ」との見方も

10月1日現在、8月の米個人消費支出(PCE)デフレーターが前年比+3.4%と市場予想の+3.7%を下回りました。食品・エネルギーを除くコア指数も前月比+0.2%、前年比+3.0%と予想のそれぞれ+0.3%、+3.3%に届いていません。FRBが物価判断で最も重視する指標が揃って下振れたことで、10月の利上げ観測はさらに後退しました。

ただし強弱の材料が入り混じっています。9月のシカゴ購買部協会景気指数は58.8と予想の51.0を大きく上回り、ドル円は156円64銭まで下落した後に157円台半ばまで値を戻しました。債券市場では10年債利回りが一時5.29%を上回り2007年以来の高水準、30年債利回りも一時5.65%近辺と2002年以来の高水準を更新しています。

📈 主要指標(10月1日)

銘柄 直近価格 トレンド 一言コメント
S&P 500 7,651.54 下落 景気敏感株の売りで-0.25%。ナスダックは+0.24%とセクター間で明暗
日経平均 66,753.72円 上昇 海外勢の先物買いで+1.94%と反発。本日は67,900円前後へ一段高
金(Gold) $4,150〜4,200/oz 上昇 4,115ドルの安値から持ち直し。PCE下振れによる利上げ観測後退が支え
原油(WTI) $89〜90/bbl 保合い 先物は90ドル割れが継続。クッシング現物とは指標間で開きが生じている
BTC $83,800〜84,200 保合い 8.4万ドル前後でもみ合い。9月をプラスで終え「赤い9月」を回避する形に
ETH $2,690〜2,710 保合い 2,740ドルが目先の上値。方向感を欠いた小動きが数日にわたり継続
SOL $119〜120 保合い 120ドル前後で安定し週次ではプラス圏。ETF資金流入が下値を支える
XRP $1.49〜1.51 保合い 1.50ドル前後で横ばい。週次ではやや軟調ながら節目は維持している

📊 マクロ経済:本日の注目トピックス

① 8月PCEが予想下回る、ただしシカゴPMIは58.8と大幅上振れ

8月の米個人消費支出(PCE)デフレーターは前年比+3.4%と、市場予想の+3.7%を下回りました。コア指数も前月比+0.2%、前年比+3.0%と、予想のそれぞれ+0.3%、+3.3%に届いていません。8月CPIではコアが前月比+0.3%と上振れして9月利上げを決定づけた経緯があるだけに、PCEの下振れは逆方向の材料となります。これを受けて米長期金利が低下し、ドル売りが優勢となってドル円は156円64銭まで下落しました。

ところがその後発表された9月シカゴ購買部協会景気指数は58.8と、予想の51.0を大きく上回りました。原油価格の上昇も重なって米長期金利は上昇に転じ、ドル買いが再開してドル円は157円台半ばまで値を戻しています。物価は鈍化しているのに景況感は強いという、判断の難しい組み合わせです。

本日は米9月ISM製造業景況指数の発表が予定されています。PCEを受けて利上げ観測がやや後退するなか、強い結果となれば再び年内の追加利上げが意識されドル買いが強まる公算です。同時刻にはウォラーFRB理事の講演も控えており、要人発言にも注意が必要です。

② 30年債が5.65%で2002年以来の高水準を更新

債券市場では長期ゾーンの売りが止まりません。30日の米国債券市場では10年債利回りが一時5.29%を上回り2007年以来の高水準を付け、30年債利回りも一時5.65%近辺まで上昇して2002年以来の高水準を更新しました。

注目すべきはPCEが予想を下回り10月の利上げ観測が後退したにもかかわらず長期金利が上昇している点です。2年債利回りは低下しており、短期と長期で方向が完全に分かれています。長期ゾーンで意識されているのは政府債務の拡大、AI関連投資に伴う資金需要の増加、社債発行の拡大といった需給面の悪化です。物価指標が落ち着いても、債券の買い手が足りないという構図は変わっていません。

一方で市場では、世界的な債券売りが行き過ぎとの見方も出始めています。9月14日に10年債が5%を突破してから半月で30ベーシスポイント近く上昇しており、値動きのスピード自体が過度との指摘です。国内では前日の2年国債入札が応札倍率で平均を上回り、最低落札価格も市場予想と一致する無難な結果でした。高い利回り水準に加え、原油下落や米利上げ観測の後退、円高進行を受けて国内の早期利上げ観測がやや後退したことも需要を支えたとみられます。

③ 日経が6.7万円台へ

日本株が力強く戻しています。9月30日の日経平均は66,753.72円(+1.94%)と反発し、本日はさらに67,900円前後まで上昇して6万7000円台に乗せました。一時は68,100円前後をつける場面もありました。日米金利が高止まりする局面では株式の相対的な割高感が意識されやすいところですが、海外投機筋からの先物買いが指数を押し上げる展開となっています。

追い風となったのが半導体です。30日の米国市場の引け後に発表された米マイクロンの決算と業績見通しが好調で、AI関連需要の強さが改めて確認されました。9月14日に浮上した「AI開発スピード減速」というテーマは、実際の決算によって打ち消された形です。米国市場ではダウとS&P500が下落する一方、ナスダック総合指数は上昇するまちまちの展開で、金利高と原油高を嫌気した景気敏感株の売りが目立ちました。

本日は国内で日銀短観と9月金融政策決定会合の「主な意見」が公表されます。9月会合では複数の反対票が投じられており、連続利上げや大幅利上げに言及する意見が見られるかどうかが焦点です。明日には米雇用統計も控えており、10月相場の方向を決める材料が続きます。

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