レゾナック、世界最大級300mmSiC基板に成功|海外勢に追いつくか
よきょい
化学大手のレゾナック・ホールディングスは次世代のパワー半導体材料である炭化ケイ素(SiC)で、直径300mm(12インチ)の単結晶の成長と基板への加工に成功したと発表しました。同社は、300mmは現在開発が進むSiC基板として世界最大級の口径だとしています。SiC基板は、SiCの単結晶を薄い円板状に加工したもので、パワー半導体をつくる土台となる材料です。
SiCは従来のシリコンを使ったパワー半導体に比べて電力変換時の損失や発熱が少なく、省エネルギー化に役立つ材料です。電気自動車(EV)や再生可能エネルギー分野を中心に需要が広がってきたほか、電力消費が急増するAIデータセンターの電源向けでも活用が進みつつあります。レゾナックは現在、市場の主流である150mm(6インチ)のSiCエピウェハーを主に供給し、200mm(8インチ)品も出荷しています。
世界初ではなく「世界最大級」、海外勢と開発競争
300mmのSiC基板を巡っては海外勢の開発も進んでいます。中国のSiC基板大手SICCは2024年11月に「業界初」とする300mmのN型SiC基板を発表し、米ウルフスピードも2026年1月に300mmの単結晶SiCウエハーを公表しました。レゾナックの発表も世界初をうたうものではなく、2026年8月時点の公表情報などに基づく同社調べで「世界最大級」と位置付けています。
今回の成果は、すぐに量産へ投入する製品ではなく、将来の大口径基板とエピウェハーに向けた研究開発段階の成果です。同社は2022年から、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業でSiCウエハーの大口径化などに取り組んできました。
同社の業績は半導体材料が支えており、2026年1〜6月期のコア営業利益は前年同期比156.5%増の887億円でした。とりわけAI需要を受けた後工程材料は46%の増収となっています。SiCの大口径化で量産技術を確立できれば、同社の半導体材料事業にとって新たな成長の柱になりそうです。
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