仮想通貨の20%課税は2028年、減税より規制が早い理由
よきょい

日本の仮想通貨制度が、2年がかりで作り替えられようとしています。「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」は2026年7月15日に成立し、7月23日に公布されました。仮想通貨取引の規制は資金決済法から金商法へ移され、有価証券とは別の金融商品として位置づけられます。施行は公布から1年以内と定められており、2027年中の適用開始が見込まれます。
改正の柱は4つです。無登録業者への対応強化、投資判断に必要な情報の公表規制の整備、業者規制の強化(呼称は暗号資産交換業者から暗号資産取引業者へ変更)、そしてインサイダー取引規制を含む不公正取引規制の創設です。これまで「決済手段」として扱われてきた資産が、投資商品としての開示と規律の枠に入ることになります。
減税だけが1年遅れて来る
一方、多くの個人投資家が待っているのは税制のほうです。2025年12月19日に公表された与党の令和8年度税制改正大綱には、個人の仮想通貨の譲渡益に税率20%の申告分離課税を適用する方針が盛り込まれました。ただし適用開始は金商法改正の施行時期に連動する設計で、施行の翌年、つまり2028年1月以降の取引からとなる見通しです。
ここに1年のずれが生まれます。2027年は新しい不公正取引規制のもとで取引しながら、税金は現行の総合課税(住民税を含め最大55%)のまま、という期間になる可能性があります。含み益を抱えたまま利益確定のタイミングを考えている人にとっては、この順序そのものが判断材料になります。もっとも施行日は政省令の整備次第で前後しうるため、確定した日付として扱うことはできません。
ETFと、まだ決まっていない論点
上場投資信託(ETF)は2028年にも解禁される見通しとされています。投資信託及び投資法人に関する法律で仮想通貨が投資対象資産に含まれていないため、そこを手当てしなければ国内での組成はできません。2026年8月時点で、国内取引所への上場実績は一件もありません。
数字だけが先に一人歩きしていますが実務で効いてくるのは細部です。損失を株式等の利益と通算できるのか、仮想通貨の枠内だけなのか、繰越控除は認められるのか、海外取引所での取引をどう扱うのか。これらが政省令で固まるまで「20%になったから」という前提だけで動くのは早すぎることになりそうです。
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