風力発電でのBTC採掘に暗雲、価格が年30%上昇でも赤字との試算

2026/08/13・

よきょい

風力発電でのBTC採掘に暗雲、価格が年30%上昇でも赤字との試算
ct analysis

学術誌エナジー・エコノミクスに掲載された新たな研究で、風力発電を利用したビットコイン採掘の採算が厳しいことが示されました。

アイルランドのシャノン工科大学の研究チームが、100メガワットの風力発電所に隣接する20メガワットの採掘施設を想定し、2024年の1時間単位の市場データを用いて試算したものです。ビットコイン価格が6万ユーロ(約1100万円)の場合、どの条件でも6年以内に投資を回収できないという結果になりました。

価格が高ければ話は変わります。1BTCが10万ユーロなら、送電制約による出力抑制の度合いに応じて2.13年から3.56年で回収できるとされています。8万ユーロでは抑制率25%で3.44年、20%で4.07年となる一方、それ以下の条件では6年の枠に収まりません。なおこれらはモデルによる試算であり、立地や機器、電力契約が変われば数値も変わるとされています。



研究の中心的な発見は、価格の上昇そのものが利益を保証しないという点です。ビットコイン価格と世界のハッシュレートが同じ率で伸びる場合、年5%でも30%でも6年間の正味現在価値は一律でマイナス1010万ユーロとなります。固定された設備が得る報酬はネットワーク全体に占める割合で決まるため、他社の設備増強が取り分を削るためです。価格が年30%、ハッシュレートが15%の伸びであれば、正味現在価値は770万ユーロのプラスに転じます。

現実の環境はモデルの前提より厳しくなっています。研究はハッシュレートを780EH/sで固定していますが、ハッシュレート・インデックスによると8月10日時点の7日平均は911EH/sでした。1ペタハッシュあたりの日次収益も31.73ドルと、多くの採掘企業にとって損益分岐点前後の水準です。

AI向けデータセンターへの電力転用が進むなか、2028年の半減期も想定期間内に控えることになります。

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