ドル比率が64%から56%へ低下|ビットコインは受け皿になるか

2026/09/09・

よきょい

ドル比率が64%から56%へ低下|ビットコインは受け皿になるか

9月2日付のニューヨーク連銀の分析で、世界の公的外貨準備に占めるドルの比率が2015年末の64%から2025年末の56%へ低下したことが示されました。この変化幅は、準備資産の分散先としてビットコインを挙げる議論の背景にもなっています。ただし比率の低下がそのまま各国のドル離れを意味するわけではない点が、この分析の論点です。

分析は比率の変化を「通貨の選好」と「準備規模」の二つに分解しています。ドル比率が平均より低い国が準備を積み増すと、自国の配分を変えなくても世界全体の比率は下がります。実際、スイスは2015年から2019年にかけて自国のドル配分を高めながら、準備の拡大によって世界の比率を押し下げました。

2019年から2023年については、データの揃う62カ国で選好が0.3ポイントの押し上げ、規模要因が0.5ポイントの押し下げでした。中国、ロシア、メキシコ、モロッコは2023年の配分データを欠いており、世界全体の2.3ポイント低下と整合する仮定のもとで、この4カ国の選好寄与は合計マイナス2.0ポイントと推定されています。

分散先としてビットコインが語られる理由自体は整理できます。発行上限が2100万枚に固定されているため通貨発行による希薄化を受けにくく、インフレ局面での価値保存手段として位置づける見方があること。特定の国の債務ではないため、発行国の信用力や制裁による凍結といった相手方リスクを負わないこと。この二点が、準備通貨としてのドルの弱点と対になる形で挙げられます。

もっとも、今回の分析はその行き先を特定していません。分解が示しているのは、比率の変化が各国の判断と準備規模の両方から生じるという構造であり、減った分がどの資産へ移ったかを測る設計にはなっていないためです。

中央銀行が実際に仮想通貨を買う場合も、この区別は残ります。チェコ国立銀行は2025年11月13日にビットコインを含む100万ドルのデジタル資産テストポートフォリオを公表しましたが、金額はポートフォリオ全体の規模であり、購入は外貨準備の枠外に置かれたものでした。

主権的な買い需要を裏づけるには、配分の開示、資金源、実行済みの購入、そして準備の内側か外側かの区分という個別の証拠が要ります。ドル比率の低下は、そのいずれも提供していないことになります。

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