海外取引所が相次ぎ閉鎖|EU制裁11社に、日本の利用者にも影響か

2026/08/25・

よきょい

海外取引所が相次ぎ閉鎖|EU制裁11社に、日本の利用者にも影響か
ct analysis

海外の仮想通貨プラットフォームが、立て続けに閉鎖や出金専用モードへ移行しています。8月23日を境に何が起きたのか、整理します。

きっかけはEUの第21次対ロシア制裁パッケージです。7月に採択され、8月23日から11社との取引が禁止されました。対象にはHTX、EXMO、Rapira、BitPapa、Aifory Pro、WhiteBird、ABCeX、Tradex、Monease、Exnode、NoOnecrypto INC.が含まれます。

NoOnesは「無関係」と説明していた

分かりやすい例がNoOnesです。同社は当初、制裁対象のNoOnecrypto INC.は別法人であり、プラットフォームの経営や運営とは無関係で、利用者は何もしなくてよいと説明していました。

ところが8月17日に事業の縮小・終了に着手。8月21日にP2Pマーケットプレイスを閉じ、出金専用モードへ移りました。残る出金経路は、ビットコイン本体のネットワークと、Tron上のTRC-20 USDTだけです。同社は3年以上で250万人を超える利用者にサービスを提供したとしています。

閉鎖理由として挙げられたのは、制裁を解消できなかったこと、不可欠なパートナーを失ったこと、そしてブロックチェーン監視企業が同社関連のウォレットを高リスクに分類したことでした。

ここが実務上のポイントです。制裁は法人名で指定されますが、事業が止まるかどうかを決めるのは規則の文言だけではありません。取引銀行、決済事業者、コンプライアンス企業が同時に距離を取れば、名指しされていない会社でも運営が成り立たなくなります。



個人と法人で「出口」が違う

HTXのケースは制裁が資産凍結ではなく取引禁止である点で構造が異なります。EU・EEA・スイスの個人は、禁止の発効から3か月以内に各国当局へ申請すれば、出金や口座閉鎖の許可を得られる可能性があります。許可の有効期間も最長3か月です。

ただし送金先はEU法に基づく金融機関などに限られ、自分のウォレットへの移転は認められていません。そして規則の文言上、法人口座に相当する救済ルートは見当たりません。

日本在住の個人は、EU域内やスイスに居住していなければ制裁そのものの名宛人ではありません。ただし取引所や監視サービスの多くが同じリストで送金をスクリーニングするため、着金の拒否や口座の制限という形で影響が及ぶ可能性はあります。

BitMartは別の問題

一方、BitMartが直面しているのは制裁ではなく、資金と情報開示の問題です。同取引所は8月26日01時00分(UTC)に取引を停止し、同日05時00分までの出金申請を強く推奨しています(締め切りではないとしています)。

8月21日には法律事務所White & Caseを再建カウンセルに起用し、一部サービスの段階的な再開と債権者への分配を含む再建案を検討していると発表、9月9日までに追加の更新を行うとしました。ただし返済の枠組み、回収率、時期はいずれも示されていません。

実務としては、残高のある海外プラットフォームがリストや免許喪失の対象かを確認する、出金経路が絞られる前に動かす、受け取り側の取引所がその送金を受け付けるか事前に確かめる、という順序が現実的です。NoOnesも受取側が送金を遅延・拒否・制限しうると警告しています。

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