ビットコインETF、流入の115%を「IBIT」1本が占める異常事態

2026/08/29・

よきょい

ビットコインETF、流入の115%を「IBIT」1本が占める異常事態

引用元: CryptoFX / Shutterstock.com

米国のビットコイン現物ETF市場で、資金流入の一極集中が極端な水準に達しています。8月27日、ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)には2億7,760万ドルが流入した一方、市場全体の純流入は2億4,230万ドルにとどまりました。

IBIT1本の流入額が市場全体を上回り、比率にすると約115%です。IBIT以外のファンドを合計すると3,530万ドルの純流出でした。フィデリティのFBTCが8,360万ドル、グレースケールのGBTCが2,720万ドルの流出となり、ビットワイズやアーク21シェアーズなど中小ファンドの合計7,550万ドルの流入を打ち消した形です。

単日の異常値ではありません。8月17日から9営業日続いた流入局面で市場全体が集めた約30億5,000万ドルのうち、IBITは約23億ドル、比率で75.4%を占めています。IBITはこの期間、全営業日で流入を記録しました。

集中度は8月を通じて上昇

日次で追うと、集中度が一方向に高まってきたことが見て取れます。Farside Investorsの公表値に基づくと、IBITのシェアは8月17日が53.8%、19日が55.0%でしたが、20日に83.0%、26日に86.5%と切り上がり、27日に100%を超えました(記者試算)。連騰の初期には他社ファンドにも資金が入っていたものの、後半はブラックロック以外がほぼ横ばいか流出に転じています。「ETFに資金が戻った」という表現は、実態としては「IBITに資金が戻った」に近いことになります。

背景には流動性の自己強化があります。IBITは運用資産500億ドル到達までの速さで史上最短記録をつくり、2024年11月に始まったオプション市場もビットコイン・オプションの主要な取引場所のひとつに育ちました。機関投資家がETFを選ぶ際、原資産の値動きより先に取引量やスプレッド、オプションの厚みを確認するため、いったんついた差は縮みにくくなります。運用資産10兆ドルを超えるブラックロックの販売網も効いています。

ただし集中は上昇局面だけの現象ではありません。米ビットコイン現物ETFは2026年上半期に54億ドルの純流出を記録し、上場以来はじめて半期ベースでマイナスに沈んでいます。市場全体の資金フローが単一の商品と単一の販売チャネルに依存する状態では、流入局面と同じ速さで流出局面が訪れる可能性も高まります。

9月以降、フィデリティなど他社が巻き返すのか、それともIBITの寡占がさらに進むのかが焦点になりそうです。

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