ビットコインETFがS&P500超え|ただし53%の下落に耐える必要
よきょい
ブラックロックのビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」が、設定来のリターンでS&P500連動ETFをわずかに上回りました。2024年1月11日の上場から2026年8月31日までのトータルリターンは67.74%で、バンガードのVOOの66.14%を1.60ポイント上回っています。分配金再投資ベースの比較です。
ただし、そこへ至る道筋はまったく違いました。IBITの最大ドローダウンは2025年10月6日から2026年6月30日にかけての53.30%です。VOOの最大下落率は2025年2月19日から4月8日の18.69%で、3倍近い差があります。ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は9月1日、IBITの値動きを絶叫マシンに、VOOを公園の散歩にたとえました。
同じリターンでも、耐えた時間が違う
価格の推移が差を説明します。米国の現物ETFが上場した2024年1月にビットコインは4万7000ドル前後で、2025年には約12万6000ドルの最高値を付けました。その後は5万8000ドル程度まで下げ、現在は7万7000ドル前後です。上昇局面で築いた優位の大半が、この往復で失われました。規模も対照的で、IBITの運用資産は約600億ドル、VOOは2026年6月にETFとして初めて純資産1兆ドルを超えています。
この数字が日本にとって意味を持つのは、制度が動き出しているからです。仮想通貨(法令上は暗号資産)の規制を資金決済法から金融商品取引法へ移す改正法は2026年7月15日に成立し、公布から1年以内、つまり2027年中の施行が見込まれます。
ETF解禁に向けた制度整備も含まれており、税制面では一律20%の申告分離課税への移行を盛り込んだ改正所得税法が同年3月31日にすでに成立しています。新税率の適用は施行日の翌年1月1日からで、2028年1月開始が見込まれる状況です。
最初に手に取る商品が決める
証券会社の準備も進んでいます。SBI証券と楽天証券が販売する方針とされ、野村証券や大和証券もグループ内で商品開発を進める考えを示しています。国内の口座開設数はすでに1400万を超え、金融庁の資料では投資経験者の保有率がFX取引や社債を上回るとされています。制度が整えば、証券口座から株式と同じ画面で買える日が来ます。
そのとき投資家が最初に見るのは、たいてい設定来リターンです。IBITの事例が示すのは、同じような累積リターンでも、その途中で半値以下を耐える必要があったという事実です。ブラックロックは分散目的で2%の配分を推奨していますが、それは値幅の大きさを前提にした数字でもあります。
解禁を待つ間に確認しておくべきは、上がるかどうかより、下がったとき何%まで持てるかということになりそうです。
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