ビットコインを買えない国が増やす方法|エルサルバドルの1540BTC

2026/09/05・

よきょい

国際通貨基金(IMF)は9月3日、エルサルバドルの融資プログラムに関する第2次・第3次審査の統合レビューでスタッフレベル合意に達したと発表しました。この中でIMFは前回審査以降に積み上がったビットコインが民間からの寄付によるものであり、公的資金は使われていないと確認する文書の提出を受けたと説明しています。合意を受け、理事会承認を条件におよそ1億4000万ドル(SDR1億196万)の支出が予定されています。

背景には2025年2月に開始した40カ月の拡大信用供与(EFF)があります。総額は約14億ドルで、同国のクォータの360%に相当します。プログラムはビットコインの民間での受け入れを任意とし、納税をドル建てとし、公的部門による買い増しを制限する内容でした。IMFは今回、文書化された寄付以外に今後の積み増しは想定していないとも述べています。

公表される残高では資金源が分からない

エルサルバドルの保有量は2025年6月末時点で約6224BTCでしたが、公式トラッカーは現在7764BTC超を示しており、増加分はおよそ1540BTCです。同国は昨年、再利用していた単一ウォレットから複数アドレスへの分散管理に移行しました。

当局は、これがデジタル資産のセキュリティ上の最良慣行に沿った措置であり、量子計算機による将来的な脅威への露出を減らすものだと説明しています。

この構造では残高そのものは誰でも検証できます。しかし、公的資金で購入したビットコインと、寄付で受け取ったビットコイン、政府管理下のウォレット間の移動を区別することはできません。IMFは過去の審査でも、戦略的ビットコイン準備の増加が政府管理ウォレット間の移転を反映していた場合があると指摘してきました。ブロックチェーンの透明性は残高を証明しますが、資金の出所までは証明しないという当たり前の限界が国家の会計問題として表面化した形です。

「1日1BTC」というメッセージの行方

一方で政府側の発信は変わっていません。ビットコイン事務局は「さらにビットコインを購入した」と述べ、「毎日1BTC、毎日欠かさず」という従来の標語を繰り返しました。ブケレ大統領も推進姿勢を維持し、教育プログラムの拡大を続けています。

もう一つ、国際的な波及の観点が残ります。IMFプログラム下で公的購入を制限された国が、民間寄付という経路で準備資産を増やせることが今回明確になりました。寄付者は特定されておらず、IMFも金額の内訳を示していません。

この形式が他国の前例として参照されるのか、それとも透明性要求の強化につながるのか。今回の合意は個別案件の決着であると同時に、主権国家によるビットコイン保有をめぐる論点を一つ先に進めたことになりそうです。

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