マイニング企業がAI大家に?売上9割をリースで稼ぐも純損失
よきょい
ビットコインマイニング企業から電力拠点のAIインフラ転用へ舵を切るIonic Digitalが、第2四半期の売上高の90%をリース収入で得ました。ウォード郡の拠点をAIインフラ事業者Nscaleへ貸し出す契約によるもので、総売上4860万ドルのうち4380万ドルを占めています。マイニングによる収入は480万ドルにとどまり、事業構成の転換が数字に表れた四半期となりました。
一方で、決算の姿はビットコインに左右されています。保有するビットコインの公正価値評価で2820万ドルの非現金損失を計上し、GAAPベースの純損失は3530万ドルとなりました。売却による実現損益はなく、6月30日時点で2882BTCを1億6870万ドルで保有しています。調整後EBITDAはこの評価損に加え2720万ドルの税金費用や減価償却などを戻し入れた結果、3760万ドルとなりました。
同社は今四半期から非GAAP指標の定義を変更し、仮想通貨の実現・未実現損益を除外する形に改めています。
計上額と入金額のずれにも注意が必要です。ウォード郡のリースは2025年12月19日に開始され、収益は定額法で認識されていますが、定期賃料の支払いが始まったのは四半期終了後の8月1日です。Nscaleは2025年11月に4560万ドルの前払いを済ませており、第2四半期のリース収益は同期間に受け取った現金とは直接対応しません。契約では既存の234メガワット分について、8〜9月が月325万ドル、10〜11月が650万ドル、12月〜1月が975万ドルと段階的に上がる設定です。
資金面では期首の現金4350万ドルに対し4億ドルの調達を実施し、営業で2590万ドル、投資で180万ドルを使った結果、6月末の現金は4億1570万ドル、借入残高はゼロとなりました。別途89メガワットの拡張分は第2四半期時点で提供できておらず、月580万ドルの賃料は容量の引き渡し後に発生します。
売上の主軸はすでにマイニングから離れた一方、2882BTCの保有が損益をビットコイン価格に敏感なままとしており、今後は賃料の現金回収が転換の進捗を測る物差しとなりそうです。
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