BTCマイナーのAI転換は本当に正解?戻れなくなるリスクとは

2026/07/30・

よきょい

BTCマイナーのAI転換は本当に正解?戻れなくなるリスクとは
ct analysis

ビットコイン価格の下落でマイニングの収益性が低下するなか、大手マイナーが数十億ドル規模の資金と電力をAI・高性能計算(HPC)向けに振り向けています。CoinSharesの集計では、上場マイナーが公表したAI・HPC関連契約は累計700億ドルを超えており、事業構造の転換が業界全体に広がりつつあります。

転換を促しているのは採掘環境の厳しさです。VanEckのデータでは、マイナーの日次収益は前年同期比で約4割減り、30日平均で約2,850万ドルとなりました。計算能力当たりの収益を示すハッシュプライスは1PH/s当たり日次約30ドルまで低下しています。

一方でAI向けデータセンターは電力当たりの収益性が高いとされ、CoinSharesは2026年末には上場マイナーの収益の最大7割をAIが占めうると試算しています。



ただし、転換の時期を巡っては慎重な見方も出ています。AI計算需要の顕在化は現在の投資が想定するより時間がかかる一方、ビットコインは下落局面の終盤に近づいているとの指摘です。この2つが重なれば、電力と資本をAIに固定した企業が今後1年で判断を悔やむ可能性があるとされています。もっともこれはAI需要そのものが消えるという見立てではなく、投資サイクルと需要の成熟との間に時間差が生じうるという整理です。

投資規模の差も論点になります。CoinSharesの推計ではマイニング設備が1MW当たり70万〜100万ドルなのに対し、AI施設は800万〜1,500万ドルとされ、より長期かつ大きな資本拘束を伴います。国際決済銀行(BIS)は大手5社のAI関連投資が2025〜26年で1兆ドルを超える可能性を指摘し、収益が伴わない場合の過剰投資に警戒を示しました。

逆にビットコイン価格やハッシュプライスが回復した場合、長期契約を抱えた企業は採掘に戻る自由度が乏しくなります。どちらの展開でも、目先の収益性と引き換えにどこまで選択肢を手放すかが問われそうです。

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