【今日のマクロ経済】来週は日米で利上げ決定の公算。原油100ドル超が定着
よきょい
9月12日現在、来週の日米金融政策決定会合を前に、利上げがほぼ既定路線となりました。11日発表の米8月消費者物価指数(CPI)はコア指数が前月比0.3%上昇と予想を上回り、15日・16日のFOMCでの利上げ確率は約90%まで上昇しています。
日銀も17日・18日の会合で政策金利を現在の1.0%程度から1.25%程度へ引き上げる公算が大きく、1995年以来約31年ぶりの高水準となる見通しです。
背景にあるのは原油高です。サウジアラビアはホルムズ海峡の代替ルートとなる東西原油パイプラインの稼働を攻撃により停止し、IEAは海峡の年内再開は難しいとの見方を示しました。日経平均は-1.93%と大幅安で64,000円割れ寸前まで下落し、ビットコインは7万7000ドル台まで水準を切り下げました。
📈 主要指標(9月12日)
| 銘柄 | 直近価格 | トレンド | 一言コメント |
|---|---|---|---|
| S&P 500 | 7,656.98 | 上昇 | 4日続落を止め+0.86%と反発。利上げ確実視で不確実性が解消との受け止め |
| 日経平均 | 64,011.34円 | 下落 | 米株安と原油高を嫌気し-1.93%。64,000円割れ寸前まで水準を切り下げる |
| 金(Gold) | $4,350〜4,390/oz | 下落 | 利上げ観測の強まりで1カ月ぶりの安値圏へ。地政学リスクより金利高が優勢 |
| 原油(WTI) | $100前後/bbl | 上昇 | 10日に一時104ドルへ急騰し100ドル前後で高止まり。代替ルートも稼働停止 |
| BTC | $77,000〜78,000 | 下落 | CPI上振れで7.7万ドル割れの場面も。高値8.2万ドルから5,000ドル近い調整 |
| ETH | $2,450〜2,510 | 保合い | 2,500ドルを挟んだ攻防が継続。主要銘柄のなかでは相対的に底堅い推移 |
| SOL | $99〜103 | 下落 | 一時100ドルを割り込む場面も。8月の高値111ドルからは水準訂正が進む |
| XRP | $1.36前後 | 下落 | 1.40ドルを割り込み1.32〜1.36ドル圏へ。調整局面が週を通じて続く展開 |
📊 マクロ経済:本日の注目トピックス
① 米8月CPIのコアが前月比0.3%、利上げ確率は約90%へ
11日発表の米8月消費者物価指数(CPI)は、コア指数が前月比0.3%上昇と市場予想を上回りました。7月のコアが前月比0.2%、前年比2.5%と2021年3月以来の低い伸びに並んでいたことを踏まえると明確な再加速です。原油が8月を通じて75ドル台から95ドル超まで駆け上がった影響が、基調的な物価にも波及し始めたことを示しています。
これを受けて金融市場では、来週15日・16日のFOMCでの利上げ確率が約90%まで上昇しました。前週末の8月雇用統計発表後は6割程度、9月8日時点でも6割程度とされていた織り込みが、CPI一本でほぼ確実視の水準まで跳ね上がったことになります。ジャクソンホールでウォーシュFRB議長が基調インフレの鈍化に確信が持てなければやるべきことがあると述べていましたが、その条件が満たされない形となりました。
② 原油100ドル超が定着
エネルギー市場の状況は一段と厳しくなっています。サウジアラビアが保有する東西原油パイプラインは、ホルムズ海峡を経由せずに紅海側へ原油を輸送できる代替ルートですが、攻撃により稼働を停止しました。海峡が封鎖されても迂回できるという前提そのものが崩れたことになります。IEAは海峡の年内再開は難しいとの見方を示しており、供給制約の長期化が現実味を帯びてきました。
原油(WTI)は10日に一時104ドルまで急騰し、11日は反落したものの100ドル前後で推移しています。8月上旬の75ドル台からは25ドル以上の上昇です。実体経済への波及も始まっており、米ディーゼル小売価格は1ガロン6ドルを超えて過去最高値を更新しました。ディーゼルは物流と農業の基幹燃料であり、価格上昇は幅広い財の輸送コストを押し上げます。CPIのコア指数が上振れした背景にも、こうした経路があると考えられます。
③ 日銀は1.25%へ、31年ぶりの高水準となる見通し
国内では日銀の追加利上げが焦点です。17日・18日の金融政策決定会合で、政策金利を現在の1.0%程度から1.25%程度へ引き上げる公算が大きくなっています。実現すれば1995年以来約31年ぶりの高水準です。原油高と円安による物価上振れリスクに対応するため、従来の半年ペースより加速する見通しとなっています。
すでに市場は先行して動いています。10年国債利回りは30年ぶりに3%を突破し、高田審議委員が利上げの間隔や幅にとらわれない機動的な対応の必要性に言及したことで、一時は50bpの利上げ観測まで浮上しました。その後は25bp方針との報道で観測が後退していますが、利上げそのものは織り込み済みです。焦点は利上げの有無ではなく、その後のペースと到達点に移っています。
高市政権の積極財政とのバランス、そして日米協調介入の行方も含め、国内市場にとって最大の論点となります。
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