メタプラネット、340億円相当の新株予約権が消滅|株主批判受け

2026/09/12・

よきょい

メタプラネット、340億円相当の新株予約権が消滅|株主批判受け

メタプラネットは2026年9月11日、第10回新株予約権(有償ストック・オプション)の発行要項を再変更しました。1個当たりの対象株式数を696株から410株へ引き下げます。

この新株予約権は2023年2月、経営難にあった同社が人材をつなぎとめるため株主総会の特別決議を経て発行したものでした。

同社は8月18日にも見直しを行っています。完全希薄化後株式数の増加に連動して潜在株式数が自動的に増える調整条項を削除し、2026年6月30日時点の株式数を基準に上限を確定させる内容でした。ただしこの時点の株式数には2025年9月以降の資金調達に伴う増加分が含まれており、役職員の取り分が既存株主の負担で膨らむとの指摘は収まりませんでした。

取締役会は寄せられた意見を受け、算定基準日を2025年9月1日へ変更。根拠として示されたのは資金調達ごとの株主価値の検証で、2025年半ばまでの調達はmNAV(企業価値の純資産価値に対する比率)が数倍の水準で実行され、完全希薄化後1株当たりBTCの増加に大きく寄与しました。一方、2025年9月の海外募集以降はmNAVが1倍を小幅に上回る水準にとどまり、BTCイールドは2025年6月期の129.4%から同9月期33.0%、12月期11.9%、2026年3月期2.8%へ低下しています。

1株当たりBTCは8.8%改善、行使時期も後ろ倒しに

今回の措置で消失する新株予約権の価値は約340億円を超えます。既に行使された分を控除した残存潜在株式数は236,640,000株から105,366,000株へ55.5%減少し、完全希薄化後1株当たりビットコインは0.0263554から0.0286646へ約8.8%改善します。ビットコイン保有量は43,000BTCのまま変わらず、追加取得を伴わずに1株当たりの水準が上がる形です。

行使のタイミングにも制限が加わります。権利未確定分は3分の1ずつに分けられ、それぞれ2029年8月18日、2030年8月18日、2031年8月18日から行使可能となります。1株当たり10円の行使価額と2031年8月17日までのロックアップに変更はありません。8月18日付で公表していた最大90,000個を長期役職員インセンティブ・ビークルへ移管する方針も全部撤回され、これらは今回の削減の一部として消滅します。

サイモン・ゲロヴィッチCEOは株主向けにXで発言。制度が設計された当時と比べ会社の規模も株主構成も変わったとしたうえで、自身は保有者であるため審議と決議に参加していないと説明しました。

VanEckのマシュー・シーゲル氏は今回の見直しを、経営陣と株主の利害を近づける意味のある譲歩と評価しています。今後の報酬制度は世界有数の報酬コンサルタントの助言を得て設計される方針で、その中身が株主との対話の次の焦点になりそうです。

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