【今日のマクロ経済】金利高でもAI・半導体が買われる構図も、円高で反落の見通し

2026/09/08・

よきょい

【今日のマクロ経済】金利高でもAI・半導体が買われる構図も、円高で反落の見通し

9月8日現在、ドル円が急速に円高方向へ進んでいます。7日の相場は156円台前半で始まった後、日銀の利上げペース加速の思惑が交錯するなかでジリジリと値を下げ、17時過ぎには下げが加速して154円付近まで下落しました。積み上がっていた投機筋の円ショートの巻き戻しが、円高の原動力となっている模様です。

7月末の日米協調介入で当局が押し戻した水準は157円台でした。それが8月末には160円台まで戻し、「介入は時間稼ぎ」との見方が裏付けられた形でしたが、ここへきて介入時を大きく超える円高が進んでいます。動かしたのは介入ではなく、日銀の利上げ観測とポジションの巻き戻しでした。

📈 主要指標(9月8日)

銘柄 直近価格 トレンド 一言コメント
S&P 500 7,718.60 保合い 7日はレイバーデーで休場のため4日終値のまま。7,700台を維持して再開待ち
日経平均 66,399.84円 上昇 半導体メモリの増産報道を追い風に+2.12%と続伸。本日午前も66,450円前後
金(Gold) $4,400〜4,470/oz 保合い 4,400ドル台で小動き。安値からは戻すも利上げ観測が上値を抑える展開が継続
原油(WTI) $92前後/bbl 上昇 90ドル超を維持し92ドル前後へ一段高。中東情勢が引き続き価格を下支えする
BTC $79,100〜80,500 保合い 一時8万2000ドルを試すも定着せず。8万ドル前後で方向感を欠くもみ合いが継続
ETH $2,480〜2,510 保合い 2,500ドル付近で一進一退。節目を挟んだ攻防が続き上抜けの勢いには乏しい
SOL $105前後 保合い 100ドル割れからの戻りを維持し105ドル前後。高値111ドルには届かず小動き
XRP $1.40前後 保合い 1.35〜1.43ドルのレンジ内で推移。主要銘柄のなかでも値動きは限定的な状況

📊 マクロ経済:本日の注目トピックス

① ドル円が153円台へ、円ショートの巻き戻しが加速

7日のドル円相場は大幅安となりました。156円台前半で始まった後、日銀の利上げペース加速の思惑を背景にジリジリと下落し、17時過ぎには下げが加速して154円付近まで値を下げています。その後は米国・カナダが祝日で休場となるなか動意のない状態が続きましたが、本日早朝のアジア市場では153円80銭台まで下値を切り下げました。本日の予想レンジは153円20銭〜154円50銭です。

円高の原動力となっているのは、積み上がっていた投機筋の円ショートの巻き戻しとみられます。7月30日から31日にかけて実施された日米協調介入は6〜9兆円規模と推計され、15年ぶりの異例の措置でしたが、ドル円は8月末に160円台まで戻していました。当時の記事でも「介入は所詮時間稼ぎでしかない」という市場の見方を紹介したとおりです。

それが今、介入時の水準を3円以上も超える円高となっています。違いは何かというと、実弾投入ではなく金融政策の方向性が変わったことです。高田審議委員が利上げの間隔や幅にとらわれない機動的な対応の必要性を示し、9月会合での利上げがほぼ確実視されるなかで、円売りポジションを維持する根拠が薄れました。為替介入が相場のトレンドを変えられない一方、金利差の見通しが変われば相場は動くという、教科書どおりの展開です。

② 日経は+2.12%と続伸、半導体メモリの増産報道が追い風

7日の日本株式市場は日経平均株価が続伸し66,399.84円(+2.12%)で引けました。AI・半導体関連銘柄が大きく指数を引き上げた一日です。前日の米国市場でのハイテク株上昇を受けてアジア市場全体で半導体株が堅調に推移したほか、前週末に米半導体メモリ大手の大規模増産が計画されていると報道され、全世界的に半導体メモリの需要が底堅いと観測されていることが追い風となりました。

もっとも午後には伸び悩んでいます。医薬品などのディフェンシブ銘柄やゲーム関連が下げたほか、直近で高値圏まで上げていた銀行株の利益確定売りにも押されました。9月2日に-2.85%と大幅安を演じた局面からは2,000円以上戻したことになりますが、内容には濃淡があります。

注目したいのは、世界的な金利上昇局面でAI・半導体関連が買われているという構図です。金利上昇は本来、将来の利益を現在価値に割り引くグロース株にとって逆風であり、8月中旬から9月初旬にかけては実際にそのとおりの動きが出ていました。それを超える需要への期待が買いを支えているわけですが、この構図が続くかどうかが今後の焦点となります。本日は円高進行が輸出関連銘柄の重荷となり、日経平均は反落の見通しです。

③ 本日は5年国債入札、BTCは8万ドル前後でもみ合い

国内債券市場では特徴的な動きが出ています。中期ゾーンの金利上昇と超長期ゾーンの金利低下という、イールドカーブのフラット化が進んでいます。背景にあるのは日銀の金融政策正常化への期待と財政運営の改善観測です。円高進行による輸入インフレ圧力の緩和や、日銀の利上げ加速観測を通じたビハインド・ザ・カーブ懸念の後退が、長期・超長期ゾーンの支援材料として意識されています。

本日は5年国債入札が予定されています。新発5年債利回りは過去最高圏にあり、銀行勢を中心とした実需に加え、高い利回り水準に着目した押し目買い需要も期待されます。ただし市場が織り込むターミナルレートも高水準に達しつつあり、さらなる上昇余地については慎重な見方も出てきました。日銀の政策を巡る不確実性や財政拡張に伴う国債増発懸念は残ったままで、9月の日銀金融政策決定会合と今後の予算編成を見極める必要があります。

今週は11日の米8月消費者物価指数(CPI)が最大の焦点で、9月15日・16日のFOMCに向けた金融政策見通しを左右します。米市場が休場明けとなる本日以降の値動きに注意が必要です。

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