【今日のマクロ経済】10月利上げ観測が急後退—消費者信頼感は2014年以来の低水準

2026/09/30・

よきょい

【今日のマクロ経済】10月利上げ観測が急後退—消費者信頼感は2014年以来の低水準

9月30日、10月の利上げ観測が急速に後退しました。ウィリアムズNY連銀総裁が「年内にあと1回の利上げが適切になる可能性がある」としつつ、「FRBは9月に利上げを決定したため、現在は性急に行動する必要はない」と発言したことが背景です。

原油も大きく下げました。サウジアラビアで破壊されたパイプラインが復旧したことに加え、米国が戦略石油備蓄(SPR)から最大4000万バレルを提供すると発表したことで、WTIは約3%下落して89ドル台と90ドルを割り込んでいます。

📈 主要指標(9月30日)

銘柄 直近価格 トレンド 一言コメント
S&P 500 7,670.84 下落 長期金利の上昇で-0.17%と2日続落。SOXは+1.32%とプラス圏を維持
日経平均 65,481.27円 下落 権利落ち日で-0.60%と続落。本日は66,740円前後へ約1.9%の大幅反発
金(Gold) $4,140〜4,175/oz 上昇 4,115ドル近辺の安値から小幅反発。利上げ観測の後退が下値を支える
原油(WTI) $89〜90/bbl 下落 SPR放出とパイプライン復旧で約3%安。9月15日の106ドルから17ドル下落
BTC $83,800〜84,400 上昇 8.3万ドル割れから持ち直し8.4万ドル前後へ。原油安と利上げ後退が支援
ETH $2,690〜2,730 上昇 BTCに連れて小反発。2,800ドルの節目は依然として距離がある水準
SOL $119〜120 保合い 120ドル前後で安定推移。ETFへの資金流入報道が引き続き下値を支える
XRP $1.50〜1.52 保合い 1.50ドル台で横ばい。主要銘柄のなかでは最も値動きの限られた推移

📊 マクロ経済:本日の注目トピックス

① 10月利上げの織り込みが7割から4割へ後退

ウィリアムズNY連銀総裁の発言が、市場の見方を大きく変えました。総裁は「年内にあと1回の利上げが適切になる可能性がある」と述べる一方で、「FRBは9月に利上げを決定したため、現在は性急に行動する必要はない」と発言しています。年内の追加利上げ自体は否定しないものの、10月という時期については慎重な姿勢を示した形です。

これを受けて金利先物市場における10月利上げの織り込みは、7割程度から4割程度まで低下しました。9月25日にこの総裁が年末までの追加利上げを「妥当な見方」と評価して織り込みを押し上げたばかりであり、わずか数日での揺り戻しとなります。9月2日には政策金利が「良い位置にある」と述べ、その後タカ派に転じ、今回は時期について慎重論という経緯で、発言のたびに市場が振られている状況です。

経済指標も利上げ観測の後退を後押ししました。9月の消費者信頼感指数は2014年以来の低水準となり、求人件数も減少しています。2年債利回りは4.89%前後へ低下しました。ただし米国の金利先高観そのものが後退したわけではなく、ドルの名目実効レートは上昇しています。

② SPR4000万バレル放出で原油が90ドル割れ

原油市場では供給側の材料が相次ぎました。サウジアラビアで破壊された東西パイプラインが復旧したことに加え、米国が戦略石油備蓄(SPR)から最大4000万バレルを提供すると発表しています。WTIは約3%下落して89.4ドル近辺で引け、9月15日の106ドル近辺からは17ドル近い下落となりました。100ドル超という水準からの明確な転換です。

SPRの放出は、政権が原油高によるインフレ圧力を直接抑えにきたという意味で重要です。8月以降、中東情勢の悪化が原油高を招き、それがインフレ懸念を通じて長期金利を押し上げるという連鎖が続いてきました。この連鎖の起点に手を入れる政策対応が出てきたことになります。ただし備蓄放出は供給量に限りがある一時的な措置であり、中東情勢そのものが改善したわけではありません。

③ 30年債は2002年以来の高水準、BTCは8.4万ドルへ反発

債券市場では短期と長期で方向が完全に分かれました。2年債利回りが4.89%前後へ低下する一方、30年債利回りは一時5.61%と2002年以来の高水準を付け、10年債利回りも一時5.29%台まで上昇して2007年以来の高水準を記録しています。利上げ観測が後退しても超長期ゾーンだけは売られ続けるという構図です。

背景として指摘されているのは構造的な要因です。エネルギー価格の上昇に加え、公的債務の拡大、世界的な投資ブームに伴う資金需要の増加が長期金利を押し上げています。原油が90ドルを割り込んでもこの動きが止まらないという事実は、長期金利の上昇がもはやインフレ期待だけでは説明できない段階に入ったことを示しています。国内では9月の日銀会合で複数の反対票が投じられ、総裁会見でも連続利上げや大幅利上げには慎重な姿勢が示されたことから、利上げ加速観測はやや後退しました。

本日は米9月ADP雇用統計、4〜6月期GDP確定値、8月PCEデフレーター、9月シカゴ購買部協会景気指数と重要指標が集中し、複数の要人発言も予定されています。月末・四半期末の需給も絡むため、値動きが荒くなりやすい一日となりそうです。

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