EUの仮想通貨規制案MiCA、ステーブルコイン分野への影響とは
Crypto Times 編集部
デジタルユーロ協会(DEA)が、EUの新しい仮想通貨規制案MiCAがステーブルコイン業界に与える影響についての分析レポートを発表しました。 イノベーションを促進する一方、規制順守による負担増加や小規模発行体の淘汰など、課題も浮き彫りになっているとしています。
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MiCAは、ステーブルコイン発行体に対し明確な法的枠組みを提供することで、市場アクセスと信頼性の向上を後押しすると期待されています。しかし、同時に、厳しい資本要件や準備金要件への対応が求められ、特に小規模発行体にとっては大きな負担となる可能性があります。
DEAはレポートの中で「MiCAは、EUをデジタル金融のリーダーとしての地位に押し上げる可能性を秘めている」と評価する一方、「過剰な規制はイノベーションを阻害する可能性もある」と警鐘を鳴らしています。
現在、米、シンガポール、中国、エルサルバドルなどでのステーブルコインに対する規制は多様で断片化しているなかで、国際決済銀行(BIS)は国際的な協調と標準化の必要性を強調しています。その中で、MiCAは国際的な規制のベンチマークとなる可能性を秘めているものの、過剰な規制によりEU市場の孤立を招く恐れもあるとDEAは述べています。
DEAは、EU当局に対し、イノベーションと規制のバランスを保ちながら、ステーブルコイン市場の発展を支援していくよう求めています。具体的には、以下のような提言を行っています。
- 小規模発行体への支援
- 準備金要件の見直し
- AML/KYC規制の実用性の向上
- 新たなユースケースへの対応
MiCAは、今後、EUだけでなく、世界のステーブルコイン市場に大きな影響を与える可能性があります。
先日、USDCを手掛けるCircle社がMiCAに則り、USDCとユーロペッグのEURCをEUエリアで発行することを発表しました。
ステーブルコインは法定通貨と密接に関わる通貨であり、政治や経済情勢にも影響を与える/受けることから、引き続き重要なトピックとして注目を集めます。
記事ソース:DEA