現実資産の9割超がDeFi未活用、トークン化市場に残る伸びしろ
よきょい

トークン化された現実資産(RWA)の市場規模が拡大する一方、そのほとんどがDeFiで実際には使われていない状況が続いています。オンチェーンに存在するトークン化RWAの総額は約519億ドルに達するものの、DeFiで担保や運用原資として活用されている額は約37億7000万ドル、比率にして7%程度にとどまるとされています。裏を返せば、9割超が発行されたまま滞留していることになります。
活用が進まない背景には4月18日に発生した不正流出の影響もあります。KelpDAOがLayerZeroを用いて構築したマルチチェーン基盤で検証設定が侵害され、クロスチェーンメッセージが偽造されたことで、裏付けのないrsETHが約11万6500枚、約2億9200万ドル相当放出されました。
もっとも活用額そのものは事件前の水準まで戻っています。DefiLlamaの集計では、事件から7月22日までおよそ95日で約37億7000万ドルまで回復したとされています。内訳をみるとイーサリアムが約19億8000万ドルで全体の53%を占める一方、残る47%程度はイーサリアム以外のチェーンに分散しています。
ただし、この分散には偏りもみられます。Avalancheの活用額の大半はJanus HendersonのCLOファンドであるJAAA、Plasmaの大半はMapleのsyrupUSDTに集中しており、単一の商品が一つのチェーンの数値を作っている構図です。カテゴリ別ではプライベートクレジットが最大で、Mapleの2つのクレジットトークンだけで全チェーン合計約13億ドルを占めるとされています。
インフラ面では改善も進んでいます。LayerZeroは検証ネットワークが単独の必須署名者にならない方針を示し、Aaveのガバナンスも関係者と連携してrsETHの裏付け回復と不良債権の処理を進めました。ただし、市場全体のブリッジや担保リストが同水準の厳格さでクロスチェーンリスクを評価しているかは未解決のままです。
9割超という未活用分をどこまで取り込めるかは、担保としての信頼性をどこまで積み上げられるかにかかっていそうです。
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