ビットコインの9月を分ける2つの日程|16日はFOMC、30日は
よきょい
9月のビットコイン相場には、性質の異なる二つの日程が控えています。連邦公開市場委員会は9月15〜16日に開かれ、雇用統計、生産者物価、消費者物価を確認したうえで政策を決定します。ところが、FRBが物価目標の基準として用いる個人消費支出(PCE)物価指数の8月分は9月30日まで公表されません。
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しかも9月30日の公表には、米商務省経済分析局(BEA)による年次改定が同時に含まれます。BEAは、この改定が現在公表中の推計値を置き換えると説明しています。政策判断は改定前の物差しで下され、その物差しは2週間後に書き換わるという順序です。
改定が数値を動かしうる理由
年次改定には、インフレ率に見える形で影響しうる技術的変更が含まれています。BEAの方法論予告によれば、ポートフォリオ管理・投資助言サービスについて、業界の生産者物価指数による調整をやめ、当該業界の雇用データからサービス数量を推計する方式に切り替えます。平たく言えば、価格の変化とサービス提供量の変化をどう切り分けるかという内部処理の変更です。
ウォラー理事は9月3日の講演で、この項目の補正によって前年比のPCEインフレ率が数十分の1ポイント程度下がりうると述べました。ただしこれは一つの構成項目に対する同氏の推計であり、BEAの改定全体の結果を確約するものではありません。年次改定には他の基礎データや手法の変更も含まれるため、合計値がウォラー氏の見積もりと一致する必然性はない点に留意が必要です。
加えて、この改定はCPIを書き換えるものではありません。CPIは労働統計局が9月11日に公表する別系列であり、PCEの算出方法を変えても既公表のCPIは変わりません。
投資家が誤読しやすい二段構え
直近の公式PCEは7月分で、総合・コアともに前月比0.2%上昇、前年比は総合3.7%、コア3.3%でした。仮に9月11日のCPIが強い数字となった場合、「どうせPCEは下方改定される」という理屈で相場が楽観に傾く展開は考えられます。しかしFRBは予測にもとづいて政策を運営しており、改定の可能性を織り込むことと、まだ公表されていない改定値を前提に据えることは別の話です。ウォラー氏の見解も委員会全体の方針ではありません。
ビットコインにとって、9月16日は期待金利パスと新しい経済見通しが更新される「政策イベント」、9月30日はインフレの歴史そのものが書き換わる「計測イベント」という位置づけになります。前者は決定を動かし、後者は決定の前提がどれだけ持続的だったかを事後的に評価させます。
改定後のPCEが低い経路を示せば、その後の会合に向けた金利観測が緩む余地が生まれますが、他の改定項目が相殺すれば逆の解釈も成り立ちます。
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