24時間動くはずの仮想通貨に1日96回の「寄り付き」が発生

2026/09/07・

よきょい

24時間止まらないはずの仮想通貨市場に、1日96回の「寄り付き」が存在するという研究が公表されました。

韓国情報通信政策研究院のチャン・キム氏とノースカロライナ大学チャペルヒル校のピーター・ラインハード・ハンセン氏による論文「The Quarter-Hour Effect」で、バイナンスのUSDT証拠金無期限先物6銘柄について2021年1月1日から2024年10月31日までの約定記録を分析しています。

毎時0分、15分、30分、45分の直後10秒間には、通常の分の同じ10秒間と比べて約定件数が26%多く、ドル建て売買代金は32%多く、価格の絶対変動幅は26%大きくなっていました。分の頭にも5分刻みにも小さな山があり、毎時0分が最も強くなります。

「まるい数字」が消えるとき

誰が取引しているかを直接判別できないため、著者らは約定サイズの末尾に着目しました。人間は0.1BTCのようなきりのよい数量を選びがちですが、アルゴリズムはボラティリティや持ち高から算出した半端な数量を出します。実際、こうしたバーストの冒頭ではまるい数量の比率が下がりました。ビットコインで末尾に2つ以上のゼロを持ち得る約定に限ると、通常の分の頭では0.04標準偏差、毎時0分では0.20標準偏差の低下で、時間の頭の効果は5倍になります。

この数値はアルゴリズム取引の比率ではなく、通常の傾向からの乖離の大きさを示すものです。著者らは他の要因も検証しています。サンプル期間中のバイナンスの資金調達手数料の授受時刻である0時、8時、16時(UTC)を除いても15分刻みの結果はほぼ残り、毎時0分の観測をすべて除いても15分、30分、45分のパターンは維持されました。

予測できても手数料には届かない

各15分の直前に得られる情報から冒頭10秒の値動きを予測できるかも検証されました。ローリング方式のアウトオブサンプル予測で方向の的中率は56.6%、平均決定係数は3.4%、AUCは0.60でした。ランダムの0.50は上回るものの値幅が問題です。予測方向に毎回売買した場合の平均総リターンは1回あたり0.51ベーシスポイント、率にして約0.0051%で、1万ドルの取引なら51セント程度にすぎません。

サンプル期間のバイナンスの基本手数料はテイカー5ベーシスポイント、メイカー2ベーシスポイントで、片道の手数料の10分の1程度しか稼げない計算になります。実務的な価値は、マーケットメイカーがその10秒だけスプレッドを広げる、大口注文の分割執行を境界から外す、といった使い方に限られそうです。

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