米大手証券の独自チェーンが14分停止|株式トークンの構造も争点
よきょい
ロビンフッドが運営するイーサリアムのレイヤー2ネットワーク「ロビンフッド・チェーン」で、9月4日に少なくとも14分間ブロック生成が停止しました。取引は一時滞留したのち回復に向かいましたが、同社は記事公開時点で原因を公表していません。メインネット公開からおよそ2カ月というタイミングでの停止です。
Robinhood Chain has now generated $23M in cumulative fee revenue, including another ~$4M in daily revenue.
However, chain fees are only part of the revenue story. Robinhood has other direct and indirect levers:
1. USDG revenue share
At a 3% APY, the USDG could have generated… pic.twitter.com/EsWsu7Ovi8— Tom Wan (@tomwanhh) September 4, 2026
規模を考えると、短時間の停止でも軽視できません。エントロピー・アドバイザーズのトム・ワン氏によれば、同チェーンの累計手数料収入は約2300万ドル、直近24時間だけで約400万ドルに達しました。トークン・ターミナルは、過去30日のレイヤー2収益のうち78.5%を同チェーンが占めたと推計しています。直近ペースを単純に年率換算すると約17億ドルとなりますが、これは活動が高まった短期間を延長した数値であり、正式な収益見通しではない点に注意が必要です。
株式トークンの法的構造が争点に
同じ週、AMCエンターテインメントのアダム・アロンCEOが、同社株を参照するトークンが同チェーン上で取引されていることを公然と批判しました。米証券法に登録されていないとして取引停止を求め、外部の証券弁護士に調査を依頼すると表明しています。
Robinhood apparently is behind an effort related to “tokenized real-world assets including Stock Tokens” for AMC Entertainment (and supposedly 190+ other companies). They are not registered under U.S. securities laws !!!!!!
I find this practice to be contemptible, outrageous,…— Adam Aron (@CEOAdam) September 3, 2026
これに対しロビンフッドの法務責任者で元SEC委員のダン・ギャラガー氏は取引停止を拒否し、ヴラド・テネフCEOも同社の方針を支持しました。9月4日時点で訴訟は提起されていません。
争いの核心は感情論ではなく商品設計にあります。ロビンフッドの株式トークンは、ジャージー島の法人ロビンフッド・アセッツ・リミテッドが発行する債務証券です。保有者は参照銘柄の値動きに対する経済的エクスポージャーを得ますが、原株の法的・実質的所有権も参照先企業に対する請求権も持ちません。米証券法上の登録はなく、米国居住者への販売もできません。
投資家が見るべき二層のリスク
この構造は、参照先企業の同意なしに株価連動商品を作れることを意味します。法的関係はあくまでトークン保有者とジャージー法人の間に成立します。同様の反発は過去にもあり、未上場のオープンAIは自社株ではなく提携も推奨もしていないと明確に否定していました。
9月4日の出来事が示したのは、トークン化株式が抱えるリスクが二層構造だという点です。第一に、原株ではなく発行体の債務を保有するという信用リスク。第二に、その決済が単一企業の運営するチェーン上で完結するという可用性リスクです。
ロビンフッドは金融商品をチェーン上へ移す戦略を掲げていますが、そこに載る資産と利用者が増えるほど、インフラが実際に耐えられるかを証明する責任も重くなります。14分の停止は、その責任が可視化された最初の場面になりそうです。
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