2兆円のBTCを没収された「プリンス」幹部、狙いは日本の永住権

2兆円のBTCを没収された「プリンス」幹部、狙いは日本の永住権

史上最大規模となる約12万7,000BTC(当時のレートで約2兆円相当)の没収対象となった詐欺組織「プリンス・グループ」の捜査が日本にも波及しました。東京区検は7月24日、同グループ幹部のフー・シー容疑者(44)=中国出身=を入管難民法違反の罪で略式起訴。起訴内容は他人名義の在留カードの行使などで、仮想通貨を使った世界最大級の詐欺組織の幹部が日本を逃亡先に選んでいた実態が明らかになった形です。

プリンス・グループはカンボジアを本拠とする中国系の犯罪組織で、米英両政府が制裁対象に指定しています。米財務省は好条件の求人話で集めた各国の人々を大規模施設に閉じ込め、オンライン詐欺の実行役として働かせる手口を指摘してきました。米司法省は2025年10月に創業者の陳志(チェン・ジ)被告を詐欺共謀などの罪で起訴し、あわせて約12万7,000BTCの没収に踏み切っています。ビットコインの押収としては過去最大です。



警視庁と大阪府警の合同捜査本部の調べでは、フー容疑者は経営者などを対象とする在留資格「高度専門職」で2023年から日本に滞在。永住権の取得を目指し、その手続きの一環として他人名義の在留カードを使い、都内の区役所に印鑑登録を申請した疑いが持たれています。略式起訴を受け、今後は国外退去(退去強制)の手続きに進む見通しです。

同グループへの包囲網は今年に入って一段と狭まっています。米財務省は今年6月、グループに関係する9人と26団体を追加制裁の対象としました。関連する詐欺による米国民の被害は2024年だけで少なくとも100億ドルとされます。組織トップの陳志被告についても、今年1月にカンボジア当局が身柄を確保し、中国側へ引き渡したと報じられています。フー容疑者は組織のNo.2とされ、都心の高級マンションなど日本国内でも資産を持っていたとの報道もあります。

一方で今回立件されたのは在留カードをめぐる違反にとどまり、詐欺収益そのものの解明や資産の行方は手つかずのままです。ロマンス詐欺収益がブロックチェーンをまたいで洗浄され、追跡が追いつかない実態はインターポールも指摘しています。「高度専門職」ビザが犯罪組織幹部の隠れみのになった今回のケースは、資金と人の両面で日本の水際対策に課題を突きつけたと言えそうです。

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記事ソース:共同通信

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