ステーブルコイン、決済の主役でなく「裏方」に|大型買収相次ぐ
よきょい

決済企業Nuveiがクロスボーダー決済プラットフォームのPayoneerを27.5億ドルの現金で買収することで合意しました。この取引は加盟店アクワイアリングやペイアウト、為替、カード、リスク管理、ライセンスといった資金移動の機能を中心としています。両社はステーブルコインをこの決済スタックの中に組み込んでおり、それが本件の仮想通貨としての意味を与えています。
この取引の仮想通貨的な意義は「流通」にあります。ドルトークンはオンチェーンで素早く価値を決済できますが、加盟店やプラットフォームには依然として、受け入れ、リスク審査、通貨変換、各国のペイアウト規則、照合、利用可能な口座が必要です。
Payoneerは150超の市場で同日・リアルタイム決済を提供し、中国本土での決済ライセンスやインドでの原則認可といった規制上の資産も持っています。Nuveiは加盟店受け入れ側を担い、両社の統合でステーブルコイン機能が決済のバックエンド処理へ近づく形になります。
同様の動きは他社にも見られます。マスターカードは3月、オンチェーン決済と法定通貨のレールを結ぶことを軸にBVNKの買収で合意したと発表しました。ビザもNuveiやWorldpayとUSDCの決済機能を拡大しており、ソラナやイーサリアムを決済に利用した実績があります。ステーブルコインやトークン化預金は信頼された決済ネットワークに組み込まれて初めて使いやすくなるという考え方が各社に共通しています。
米連邦準備制度のスタッフ分析も決済用ステーブルコインがクロスボーダー決済の摩擦の一部を解消し得る一方で、為替流動性やコンプライアンス確認、法定通貨への変換、仲介機関が依然として重要であり続ける可能性を指摘しています。
もしステーブルコイン決済が処理業者やアクワイアラー、カードネットワークを通じて拡大すれば、普及は現実のものとなりつつも、レガシー金融からのクリーンな離脱というよりトークンが背後の配管へ溶け込む形になりそうです。
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