海外勢が米短期国債を290億ドル売却|買い手はステーブルコインか
よきょい

米財務省の国際資本統計(TIC)によると、海外投資家は6月に米国の金融資産へ差し引き1335億ドルを投じた一方、短期国債(Tビル)を290億ドル売り越しました。長期証券の購入額は2071億ドルで、うち1814億ドルが米国株、長期国債は68億ドルにとどまっています。
Tビルは償還期間が1年以内の米国債で、市場に厚みがあり換金しやすいことから現金に近い資産として扱われます。海外勢の短期国債保有は5月の約1兆4300億ドルから6月に約1兆4000億ドルへ減り、5月の435億ドルと合わせた2カ月の売却額は約725億ドルに達しました。統計は売却の理由までは示さず、資金管理上の入れ替えである可能性も残ります。
ここで注目されているのが、ステーブルコインの発行体です。利用者が1ドルを預けてトークンを受け取ると、発行体は償還に備えて換金性の高い資産で裏付けを持つため、Tビルはその用途に適します。デジタルドルへの需要がそのまま米国債への需要に変わる構図で、GENIUS法は規制対象の決済系ステーブルコインに流動性の高い準備資産の保有を義務づけ、財務省も8月17日に関連規則案を示しました。
規模も無視できません。Tetherの第2四半期の開示では直接保有するTビルが1149億6000万ドル、翌日物などのレポが256億2000万ドルでした。ただしUSDTの流通量は四半期で約4億4600万ドルしか増えておらず、新規発行が290億ドルの売却を吸収したとは説明できません。
9月16日公表の7月分TIC統計と流通量の推移が、新たな買い手が実際に育つかを測る手がかりとなりそうです。

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