【今日のマクロ経済】トランプ発言でホルムズ海峡に緊張再び。利上げ観測後退

2026/08/17・

よきょい

【今日のマクロ経済】トランプ発言でホルムズ海峡に緊張再び。利上げ観測後退
ct analysis

8月17日現在、トランプ大統領が14日の支持者向け演説でホルムズ海峡について「近く米国の領土と宣言するつもりだ」「実質的には既にそうなっている」と発言し、緊張が一段と高まっています。これに対しイランのガリババディ外務次官は「ホルムズ海峡はイランのものであり続ける」と反発しており、週末を経てなお交渉は膠着したままです。

経済指標では米7月小売売上高が前月比-0.6%と予想に反して減少し、FF金利先物市場では年内の利上げ織り込みが1回を割り込みました。それでも長期金利は原油高を背景に上昇し、イールドカーブのスティープ化が進んでいます。ドル円は158円80銭前後まで下げた後に切り返し、ビットコインは63,000ドル付近でのレンジ推移が続いています。

📈 主要指標(8月17日)

銘柄直近価格トレンド一言コメント
S&P 5007,785.76下落小売売上高の落ち込みを受け主要3指標が揃って安く-0.17%。ただし下値は限定的
日経平均68,713.80円上昇PPI下振れを好感した米株高を受け+0.59%と続伸。出遅れ銘柄への循環物色も観測
金(Gold)$4,376〜4,395/oz保合い週末も4,300ドル台後半で高値圏を維持。地政学リスクの高まりが下値を支える展開
原油(WTI)$82.4〜82.5/bbl保合い82ドル台で落ち着いた推移。ホルムズ海峡を巡る応酬が続き下値の堅い状態が継続
BTC$62,900〜63,030保合い週末も63,000ドル付近で膠着。利上げ織り込み後退にも反応の鈍い状態が続く
ETH$1,878〜1,889保合い1,880ドル前後でほぼ横ばい。BTC同様に方向感を欠いたまま週明けを迎えている
SOL$75〜76保合い75〜76ドルで安定推移。8月中旬以降は狭いレンジでの動きが定着しつつある
XRP$0.997〜1.00下落ついに1ドル割れを試す水準へ。主要銘柄のなかで最も明確な下値切り下げが継続

📊 マクロ経済:本日の注目トピックス

① トランプ氏「ホルムズ海峡を近く米国の領土と宣言」

トランプ大統領は14日、支持者向けの演説でホルムズ海峡について「近く米国の領土と宣言するつもりだ」「実質的には既にそうなっている」と発言しました。国際海峡の領有を主張するという極めて異例の内容で、交渉による解決という前提そのものを揺るがしかねない発言です。

これに対してイランのガリババディ外務次官は「ホルムズ海峡はイランのものであり続ける」と反発しました。先週にはUAE国営石油会社(ADNOC)関連のタンカー2隻が攻撃を受けており、双方が強硬姿勢を打ち出したまま週末を経ても距離は縮まっていません。8月上旬に「オマーンとの航路合意が最終段階」と報じられた局面からは、完全に後退した状況です。

市場への影響は原油を通じて表れています。米・イランの応酬を背景に原油価格が反発し米長期金利が切り返したことで、ドル売りは長続きしませんでした。交渉の進展が見られない間は米国の金利先高観がある程度維持される公算で、ドル円も高値圏での推移が続くとみられます。



② 年内利上げ織り込みが1回割れ、それでも長期金利は上昇

米国の経済指標はここまで弱いものが目立ちます。7月小売売上高は前月比-0.6%と市場予想に反して減少し、FF金利先物市場では年内の利上げ織り込みがついに1回を割り込みました。7月末のFOMCで3人の当局者が利上げを主張していた局面からは、わずか2週間で景色が一変しています。

ところが債券市場の反応は一様ではありません。14日の米国債券市場では一時的に短期債を中心に買いが優勢となり2年債利回りが6月末以来の低水準まで低下したものの、その後は中東情勢の緊迫化を背景とする原油高が意識され、長期ゾーンを中心に利回りが上昇しました。結果としてイールドカーブのスティープ化が進み、長期金利にはインフレや財政を巡るリスクプレミアムが上乗せされた状態が続いています。

つまり「利上げ観測は後退したが、長期の金利は下がらない」という構図です。景気減速で短期金利の先高観は薄れる一方、原油高によるインフレ再燃懸念と財政赤字への警戒が長期金利を押し上げています。米国では戦争長期化や財政負担への懸念、英国でも財政運営を巡る警戒感が高まっており、グローバルな金利上昇圧力が日本市場にも波及しています。

③ 本日発表の4〜6月期GDP、日銀9月利上げ確率は8割

国内では本日、4〜6月期の実質GDPが発表されます。3四半期連続のプラス成長が見込まれており、個人消費や設備投資の底堅さが確認されれば、日銀の経済・物価見通しや追加利上げ路線を追認する内容となる可能性があります。ただし市場は既に相応の利上げを織り込んでいるため、GDP自体が相場を大きく動かす材料にはなりにくいとみられます。

その織り込みの水準ですが、OIS市場では9月会合での利上げ確率がおよそ8割まで上昇し、来年1月までの追加利上げもほぼ織り込まれる状況です。2年債や5年債など中期ゾーンの金利には引き続き上昇圧力がかかっており、長期金利は7月の高値水準を試す展開も意識されています。月末には概算要求の提出期限を控えており、歳出拡大や財政悪化への警戒感も残ったままです。

日米ともに長期金利に上昇圧力がかかる局面では、金利以外の材料が出てこない限り上値の重い展開が続きそうです。今週は米半導体メモリ大手の好調な業績見通しを受けたメモリ関連の動きなど、株式側のセクター物色が相場全体の温度感を測る手がかりとなります。

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