【今日のマクロ経済】仮想通貨だけが上昇、米株は3週間ぶりの大幅安

2026/08/21・

よきょい

【今日のマクロ経済】仮想通貨だけが上昇、米株は3週間ぶりの大幅安
ct analysis

8月21日現在、ビットコインが71,900ドル台まで続伸し、8月の膠着相場から完全に抜け出しました。前日のショート清算に加え、ETFへの資金流入も支えとなり、上昇率は+8〜12%級に達しています。イーサリアムは2,240〜2,285ドル、ソラナは85〜87ドルへとそれぞれ水準を切り上げ、XRPも1.15ドル付近まで買われました。

一方で、金利面の追い風は一日で剥落しています。米財務省による買い戻し拡大の効果は限定的との見方が広がり、30年債利回りは一時5.26%台まで再上昇して2007年以来の高水準圏に戻りました。原油(WTI)は87ドルを突破し、S&P500は-0.9%と3週間ぶりの大きな下落。仮想通貨とマクロ環境の方向が食い違う、読み解きの難しい局面です。

📈 主要指標(8月21日)

銘柄直近価格トレンド一言コメント
S&P 5007,641.16下落原油高と金利上昇を嫌気し-0.9%と3週間ぶりの大きな下げ。小売大手の決算も重し
日経平均66,216.79円上昇前日の急落から+1.36%と反発。金利低下で不動産、出遅れ銘柄にも買いが波及
金(Gold)$4,500〜4,525/oz上昇安全資産需要が続き4,500ドルの節目を突破。連日で高値圏を切り上げる強い動き
原油(WTI)$86.8〜88/bbl上昇87ドルを突破し一段高。中東情勢とトランプ氏の発言が供給不安を増幅させる展開
BTC$69,500〜71,900上昇+8〜12%級の続伸で71,900ドル台へ。ショート清算に加えETF流入も下支え
ETH$2,240〜2,285上昇2,280ドル付近まで一段高。2営業日で1,880ドル台から大幅な水準訂正が進行
SOL$85〜87上昇二桁上昇で87ドル付近へ。8月中旬の76ドル前後から10ドル超の水準切り上げ
XRP$1.10〜1.15上昇1.15ドル付近まで上昇し出遅れを解消。1ドル割れ寸前だった前週から大きく反転

📊 マクロ経済:本日の注目トピックス

① 買い戻し効果は一日で剥落

米財務省による長期国債の買い戻し拡大は、一日で効果を失いました。20日の米国債券市場では国債相場が反落し、30年債利回りは一時5.26%台まで上昇して2007年以来の高水準圏に戻っています。市場では買い戻し策の効果は限定的との見方が広がりました。

背景にあるのは構造的な要因です。約2兆ドル規模の財政赤字、高止まりするインフレ、そしてAI関連投資を背景とした企業の大量起債が、長期金利の上昇圧力として意識されています。財務省が発表した10年超を対象とする買い戻しオペの倍増について、市場関係者からは長期金利上昇への一時的な対応にとどまり、財政悪化や需給環境の根本的な改善にはつながらないとの声が出ています。前日の記事でも触れたとおり、これは量的緩和ではなく需給の下支え策にすぎません。

FOMC議事要旨ではインフレへの警戒感が改めて示されましたが、市場の焦点は既に財政問題や国債需給へ移っています。物価連動国債入札には強い需要が集まった一方、長期ゾーン全体への慎重な姿勢は続きました。為替では新規失業保険申請件数が20万6000件と市場予想の21万件を下回る強い内容となったことがドルを支え、ドル円は反発しています。



② 原油87ドル突破、7月貿易赤字は6345億円と過去最大級

原油(WTI)は1バレル87ドルを突破しました。中東情勢の先行き不透明感とトランプ大統領の発言が供給不安を増幅させており、8月上旬の75ドル台からは12ドル以上の上昇です。米国市場では原油価格が業績に影響しやすい銘柄が売られ、小売大手の決算発表から個人消費の先細り懸念も意識されて、S&P500は-0.9%と3週間ぶりの大きな下落となりました。

日本にとってこの原油高はより深刻です。7月の貿易収支は過去最大級となる6345億円の赤字に膨らみました。エネルギーの海外依存度が高い日本では、原油高と円安が同時に進むと輸入額が二重に押し上げられます。貿易赤字の拡大は実需の円売り要因でもあり、円の弱さをさらに助長するという循環に入りつつあります。7月末の協調介入から3週間、当局が押し戻した水準へ再び戻ってきた背景には、こうした実需面の構造があります。

③ BTCは71,900ドルへ続伸、ETF流入が支えに

仮想通貨市場は前日の急騰を維持したまま、さらに水準を切り上げました。ビットコインは69,500〜71,900ドルと+8〜12%級の続伸で、イーサリアムは2,240〜2,285ドル、ソラナは85〜87ドル、XRPは1.10〜1.15ドルまで買われています。8月を通じてBTCが63,000ドル前後、ETHが1,880ドル前後で膠着していたことを踏まえると、わずか2営業日での様変わりです。

注目すべきは、上昇の質が前日から変化している点です。19日の急騰はショートポジションの強制的な買い戻しという技術的要因が中心でしたが、20日はETFへの資金流入も支えとなったと報じられています。清算による一過性の踏み上げから、実際の資金流入を伴う動きへ移りつつあるとすれば、価格の持続性という点では前向きな材料です。

本日は米8月PMIの発表があり、来週にはジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長が初講演を行います。議長がインフレ抑制姿勢をどこまで強調するかは、金利を通じてこの流れの持続性を左右する重要な分岐点となりそうです。

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