【今日のマクロ経済】仮想通貨が全面高、米財務省の買い入れ倍増で30年債利回り低下

2026/08/20・

よきょい

【今日のマクロ経済】仮想通貨が全面高、米財務省の買い入れ倍増で30年債利回り低下
ct analysis

8月20日現在、仮想通貨市場が大規模なショート清算を伴う急騰に見舞われています。ビットコインは64,000ドル台から一時69,000ドル付近まで駆け上がり、イーサリアムは2,200ドル台へと15〜20%級の上昇を記録しました。8月を通じて63,000ドル前後で膠着していたBTCが、わずか一日で水準を切り上げた形です。

きっかけとなったのは米財務省による長期国債の買い入れ拡大です。1回当たり20億ドルから少なくとも40億ドルへの倍増が発表され、前日に2007年以来の高水準5.34%をつけていた30年債利回りは5.18%近辺まで低下しました。米長期金利の低下とともにドル売りが強まりドル円は158円台前半まで下押し。金も+3%前後の急騰で4,495ドル台に達する一方、日経平均は-3.16%と大幅続落しています。

📈 主要指標(8月20日)

銘柄直近価格トレンド一言コメント
S&P 5007,707.98上昇長期金利の低下を受け4日ぶりに反発し+0.2%。ただしSOXは-2.12%と半導体は軟調
日経平均65,326.42円下落AI・半導体主導で-3.16%と大幅続落。ディフェンシブ銘柄への資金移動が鮮明に
金(Gold)$4,495〜4,500/oz上昇安全資産需要の高まりで+3%前後の急騰。4,500ドルの節目に接近する強さを示現
原油(WTI)$85.5〜85.8/bbl上昇85ドル台で高値圏を維持。覚書失効後の中東情勢が引き続き価格を押し上げる展開
BTC$64,000〜69,000上昇大規模なショート清算を伴い一時69,000ドル付近へ急騰。8月の膠着を一気に解消
ETH$2,200〜2,280上昇15〜20%級の大幅高で2,200ドル台を回復。主要銘柄のなかで最も大きな上昇率
SOL$84〜86上昇76ドル前後のレンジを一気に上抜けし84ドル台へ。約10ドルの水準切り上げ
XRP$1.10前後上昇1ドル割れ寸前の水準から1.10ドルへ反発。出遅れ銘柄にも買いが波及する展開

📊 マクロ経済:本日の注目トピックス

① 米財務省が買い入れオペを倍増

米財務省は、流動性支援を目的とする長期国債の買い入れオペを1回当たり20億ドルから少なくとも40億ドルへ倍増させると発表しました。対象は10〜30年債です。前日には財政悪化懸念とイランを巡る地政学リスクを背景に30年債利回りが5.34%と2007年以来約19年ぶりの高水準をつけていましたが、この発表を受けて30年債利回りは5.18%近辺、10年債利回りも4.63%近辺へ低下しています。

ただし性格を正確に理解しておく必要があります。これは中央銀行による量的緩和とは異なり、あくまで需給の下支え策という位置付けです。財政やインフレへの根本的な懸念が解消されたわけではなく、実際に同日の20年債入札では需要が低調で、長期ゾーンを取り巻く需給環境の厳しさが改めて意識されました。買い戻し増額の規模自体も、需給を抜本的に改善するものではありません。

なお同日公表されたFOMC議事要旨では、一部の参加者が利上げを支持し、多くの参加者がインフレ率が2%へ低下しなければ追加利上げが必要との考えを示していたことが判明しました。本来ならタカ派材料ですが、市場では財務省の買い戻し策の影響がより大きく意識され、反応は限定的でした。



② 日経平均-3%の急落

19日の日本株式市場は日経平均株価が65,326.42円(-3.16%)と大幅続落しました。前日の米国市場でハイテク株が売られた影響で値がさのAI・半導体関連銘柄が指数を押し下げたほか、不透明な中東情勢や長期金利の先高感から株式の相対的な割高感が意識されたことも売り材料になったとみられます。

特徴的だったのはセクター間の動きです。市場をリスクオフムードが支配するなか、医薬品や鉄道、食品の一部など比較的業績変動の小さいディフェンシブ銘柄は上昇しました。8月中旬まで日経平均を押し上げてきたAI・半導体一極集中の構図が、ここにきて逆回転を始めた形です。17日にTOPIXが9営業日ぶりに反落した時点で表面化していた歪みが、指数全体に及んだと見ることもできます。

③ 仮想通貨が歴史的なショート清算で急騰

仮想通貨市場では大規模なショート清算を伴う急騰が発生しました。ビットコインは64,000ドル台から一時69,000ドル付近まで上昇し、8月を通じて63,000ドル前後で続いていた膠着を一気に解消しています。イーサリアムは15〜20%級の上昇で2,200〜2,280ドルへ、ソラナも76ドル前後から84〜86ドルへと水準を切り上げました。1ドル割れ寸前だったXRPも1.10ドル前後まで反発しています。

背景として指摘できるのは、米長期金利の低下です。8月中旬以降、本連載でも繰り返し触れてきたとおり、仮想通貨市場は「米国の利上げ観測が後退しても長期金利のリスクプレミアム拡大がそれを打ち消す」という構図に押さえ込まれていました。財務省の買い入れオペ倍増で30年債利回りが低下したことは、この重しがいったん外れたことを意味します。

ただし今回の値動きの大部分は、ショートポジションの強制的な買い戻しによる技術的な要因です。8月を通じて価格が上がらないなかで積み上がった売り持ちが、金利低下をきっかけに一斉に踏み上げられた構図であり、持続的な資金流入によるものとは性質が異なります。来週にはジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長の講演が控えており、清算一巡後にこの水準を維持できるかどうかが当面の焦点となります。

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