【今日のマクロ経済】米財務長官が日銀の円高措置に言及。G20で片山財務相・植田総裁と会談
よきょい

9月1日現在、ベッセント米財務長官のインタビュー発言が円買いを誘っています。長官は日本政府と日銀が円高につながる措置を講じると確信しているとしたうえで、「市場が持っていない情報を持っている」と述べました。日銀の追加利上げ観測が一段と強まり、ドル円は31日に下落しています。本日はG20財務相・中央銀行総裁会議に合わせ、ベッセント長官と片山財務相および植田日銀総裁の会談が予定されており、円高方向への圧力が意識されやすい局面です。
一方で中東情勢は再び悪化しました。米軍とイランによる攻撃の応酬が再開し、トランプ大統領が追加攻撃に言及したこともあって原油(WTI)は85〜86ドルへ上昇しています。インフレ圧力の再燃から米10年国債利回りは一時4.75%を上回り、2025年1月以来約1年7カ月ぶりの高水準を記録しました。ビットコインは78,000ドル台へ調整しています。
📈 主要指標(9月1日)
| 銘柄 | 直近価格 | トレンド | 一言コメント |
|---|---|---|---|
| S&P 500 | 7,680前後 | 下落 | 金利先高観と原油高で-0.4%前後と続落。ハイテクの資金調達コスト増を警戒 |
| 日経平均 | 66,311.93円 | 下落 | 朝安後に切り返し-0.14%の小幅安。円安で自動車、金利上昇で銀行株が下支え |
| 金(Gold) | $4,430〜4,460/oz | 保合い | 4,430ドル台で下げ止まり。利上げ観測が重しも8月は月間ベースでは上昇 |
| 原油(WTI) | $85〜86/bbl | 上昇 | 攻撃応酬の再開で83ドル台から反発。追加攻撃への言及が供給不安を増幅 |
| BTC | $78,000〜78,200 | 下落 | 8万ドル到達後の調整が継続し78,161ドルで引け。利食い売りが上値を抑制 |
| ETH | $2,420〜2,450 | 下落 | 2,500ドルの節目を前に軟化。8月後半の戻り局面では最も勢いを欠く展開 |
| SOL | $102前後 | 保合い | 102ドル前後で100ドル超えを維持。上昇一服も主要銘柄では相対的に堅調 |
| XRP | $1.36〜1.37 | 下落 | 1.36ドル台まで水準を切り下げ調整が継続。8月の急騰分を徐々に吐き出す |
📊 マクロ経済:本日の注目トピックス
① ベッセント長官「市場が持っていない情報を持っている」
31日のドル円は下落しました。きっかけとなったのはベッセント米財務長官のインタビュー発言です。長官は日本政府と日銀が円高につながる措置を講じると確信しているとしたうえで、「市場が持っていない情報を持っている」と述べました。日銀の追加利上げ観測が強まり、円買いが優勢となっています。
米国の財務長官が他国の中央銀行の政策について、自らが非公開情報を握っていると示唆するのは異例です。7月末の日米協調介入以降、米国側の圧力が為替介入から日銀の利上げへと移ってきた流れの延長線上にありますが、今回はより踏み込んだ表現となりました。9月の日銀金融政策決定会合での利上げは既に市場のメインシナリオとなっており、この発言はその観測をさらに補強します。
本日はG20財務相・中央銀行総裁会議に合わせ、ベッセント長官と片山財務相および植田日銀総裁の会談が予定されています。今後の為替介入や日銀の9月利上げについて踏み込んだ示唆があれば、円高圧力として作用しやすい状況です。
② 攻撃応酬が再開、米10年債は1年7カ月ぶりの4.75%超へ
中東情勢が再び悪化しました。米軍とイランによる攻撃の応酬が再開し、トランプ大統領がイランへの追加攻撃に言及したことで、WTI原油先物は上昇しています。先週半ばには制裁の影響が限定的との見方と外交官帰任報道から原油が80ドル近辺まで急落しましたが、その緩和ムードは1週間ももちませんでした。8月を通じて75ドル台から87ドル台まで往復した値動きの荒さが、9月に入っても継続する構図です。
債券市場への影響は明確でした。インフレ圧力の再燃とFRBによる追加利上げ観測が強まり、米10年国債利回りは一時4.75%を上回って2025年1月以来約1年7カ月ぶりの高水準を付けています。30年債利回りも上昇し、イールドカーブはスティープ化しました。ウォーシュFRB議長がジャクソンホール会合で利上げの可能性を示唆して以降、年内利上げ予想を引き上げる動きが続いています。
③ 日本10年債が2.95%で30年ぶり高水準
国内金利の上昇も止まりません。日本の10年国債利回りは前日に一時2.95%と1996年以来約30年ぶりの高水準を付けました。市場では心理的節目となる3%が視野に入っています。本日は10年国債入札が予定されており、利回り水準の高さは押し目買い需要を誘う可能性がある一方、日銀の利上げペースやターミナルレートを巡る見方が定まっておらず不確実性は大きいままです。
需給面での逆風も重なります。来年度予算の概算要求では一般会計総額が高水準となり、消費減税や防衛費増額などを巡る財政拡張懸念が残っています。国債発行増加への警戒感は根強く、慎重な投資姿勢が続く見込みです。9月のPD会合で長期ゾーンの発行減額が議論されるとの観測はあるものの、原油高や円安を背景としたインフレ懸念と日銀の利上げ観測というファンダメンタルズ面の逆風は強く、入札が順調に消化されても相場の改善は一時的にとどまる可能性が高そうです。
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