トランプ氏がBTC大量保有に意欲|買い付けの権限も財源もなし
よきょい

トランプ大統領が8月20日、米国がビットコインやその他の仮想通貨を相当量保有することを検討していると述べました。ただし現行法の下では、財務省が数十億ドル規模の市場買い付けを行うための予算措置や権限は公になっていません。行政府には保有を増やす手段がいくつか残されていますが、いずれも規模や時期を計画的に定められる性格のものではないとみられています。
2025年の大統領令は、ビットコインについて財務省と商務省に財政中立的な取得手法の検討を指示する一方、ビットコイン以外の資産の追加取得は資産没収と民事制裁金の経路に限定しています。この制限は追加の大統領令や立法で解除でき、イーサリアムやXRP、ソラナへ対象を広げることも理屈上は可能です。
もっとも同じ大統領令は、実施が適用法令と歳出予算の範囲内であることを求めており、資金の出どころと使用権限という壁は残ります。
行政権限で比較的動かしやすいのは、没収資産、寄付、税の受け取りです。刑事・民事の没収が確定したビットコインは戦略準備に、それ以外の資産はデジタル資産備蓄に組み入れられます。2026年1月には、Helixミキサー事件に関連して4億ドル超の資産の法的権原を米国が取得しました。連邦法典第31編321条(d)は財務長官に財産の寄付を受け入れる権限を与え、内国歳入法6311条は税の受領手段を財務長官の裁量に委ねていますが、内国歳入庁は現時点でデジタル資産を受け付けておらず、ビットコイン納税を認める「Bitcoin for America法案」も成立していません。
一方、備蓄資産の売却益をビットコイン購入に振り向ける案、外国為替安定基金の活用、関税収入や金証券の利用はいずれも議会が定めた法律の壁に突き当たります。金証券は1トロイオンスあたり42と9分の2ドルという法定価格が定められ、金の売却代金は国債の削減に充てるよう規定されています。年間20万BTCを5年間購入する枠組みを盛り込んだBITCOIN法案や、2026年のAmerican Reserve Modernization法案は未成立です。連邦準備制度についても、パウエル前議長が現行法ではビットコインを保有する権限がないと述べています。
市場が織り込める規模の「国家による買い手」が現れるかどうかは、議会が購入権限と財源を用意するか次第となりそうです。
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