アップル、テスラなど米国株式がブロックチェーン上で展開加速

アップル、テスラなど米国株式がブロックチェーン上で展開加速

引用元: Samuel Boivin / Shutterstock.com

トークン化プラットフォーム大手のSecuritizeは米国の登録代行・株主名簿管理大手のComputershareと合意したと発表。米国上場企業のクライアントが既存の株式や直接登録方式(DRS)と並んで、トークン化された株式証券を発行できる経路を開いた格好で、対象となる米国上場銘柄は2万5,000銘柄規模に及びます。

Apple、Tesla、Nvidiaなど主要銘柄もこの仕組みの対象です。

新たに導入されるのは「Issuer-Sponsored Tokens(ISTs)」と呼ばれる発行体公認トークンで、デリバティブやラッパー(被覆型)ではなく実際の株式そのものをトークン形式で表現します。



ISTsとは?

ISTsの最大の特徴はデリバティブやラッパーではなく株式そのものをオンチェーン上で表現する点です。投資家が保有するISTは、実際の株式と同等の経済的権利を持ちます。

これまでの仮想通貨業界における株式関連商品はCFD(差金決済取引)型・先物型・代替型のラッパー商品が中心でした。発行体非関与の合成商品が大半を占め、規制適合性や権利の正当性に課題を抱えていました。ISTsは発行体自らがトークン化を承認・統制する点で従来商品とは構造的に異なります。

Computershareは米国の登録代行業界で最大規模のシェアを持ち、Apple・Tesla・Nvidiaを含む主要銘柄の株主名簿管理を担っている事業者です。今回のSecuritizeとの合意により、これらの企業は既存の株主管理プロセスを大きく変えることなく、追加的にトークン化された株式を発行できるようになります。



「ブロックチェーン上のIPO」構想と資本市場の再編

ISTs導入の文脈は単発のプロダクト追加に留まりません。Solana財団プレジデントのリリー・リュー氏は2026年4月の発言で、2027〜2028年までに世界最大級のIPOがブロックチェーン上で実行されるとの見通しを示し、複数企業が関心を寄せていると明かしています。

関連記事:2028年までに世界最大のIPOがブロックチェーン上で実現か

米国上場2万5,000銘柄が一斉にオンチェーン取引の対象となれば、伝統的な投資銀行を頂点とする資本市場の流通構造には根本的な再編圧力がかかります。Securitize×Computershareの合意はその地殻変動が技術的・法的に「実現可能フェーズ」へと入ったことを示す象徴的な動きと言えそうです。

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