ビットコイン上値重い展開、3つの要因とマイクロ取引活況の現状

ビットコイン上値重い展開、3つの要因とマイクロ取引活況の現状

引用元: Lafak / Shutterstock.com

足元のビットコイン(BTC)相場は激しい値動きを見せています。6月上旬に一時5万9,000ドル台まで急落した後、中旬にかけて6万7,000ドル付近まで持ち直す場面もありましたが、直近で再び売りが優勢となり現在は6万2,800ドル前後へと反落する展開です。

Bitcoin price by TradingView



価格低迷の3つの背景|FOMCタカ派化・地政学緩和でも独り負け・財務企業リスク

直近のBTC価格が伸び悩む背景には複数の要因が重なっています。第一に、6月17日のFOMCで米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を3.5〜3.75%で据え置いた一方、インフレ見通しを引き上げ利下げ道筋を3月時点より緩やかに修正しました。タカ派的な見通しがリスク資産全般の重しとなり、ケビン・ウォーシュ氏の議長就任後初の会合という不確実性も投資家の様子見姿勢を強めました。

第二に、地政学リスクの後退にもかかわらずBTCだけが反応できていない構図が観測されています。原油価格が80ドルを割り込む場面でも、本来であればリスクオン材料となるはずの環境でBTCは下落基調を続けました。米株や日経平均が好調なタイミングでも様子見が優勢のままで、BTCが他のリスク資産から取り残されている状況が鮮明になっています。

第三に、ストラテジーやメタプラネットに代表されるBTC財務企業(DAT)の優先株を巡る売却リスクが、市場の構造的な懸念材料として浮上しています。配当義務の発生や株価下落局面での資金調達難から、保有BTCを売却せざるを得ない局面が想定されるとの見方が広がりつつあり、現物ETFやDAT株式の取引高がピーク比で大きく縮小している伝統金融側の需要後退と並走しています。この3つが重なった結果として、BTC価格は「明確な上昇トリガーを欠いた状態」が続いている可能性があります。

オンチェーン活動は構造変化

一方で、ビットコインのブロックチェーン上の動きは価格パフォーマンスとは正反対の様相を見せています。CryptoQuantの「ビットコイン・ネットワーク・アクティビティ・インデックス」は今年1月以降に上昇トレンドを形成し、過去最高を記録した2024年9月の水準まであと約7%という高位置まで戻っていると、同社は公表したレポートで指摘しました。長期的なトレンドラインを上抜けた状態を数週間にわたって維持している点も特徴です。

同社のリサーチ責任者を務めるフリオ・モレノ氏はこの現象を一時的なブームではなく「ネットワークにおける構造的な変化」と整理しています。論拠として挙げられているのが、1ブロックあたりの平均取引数が継続して記録的な高水準を保っているという事実で価格が低迷していても利用そのものは積み上がっている形です。

価格と利用の動きが食い違う局面は過去にも観測されていますが、今回のように「TradFiチャネル側は冷え込み、オンチェーンは活況」という相反する2層が同時に走るのは、CryptoQuantによれば珍しいパターンに分類されるとのことです。



1日80万件超のマイクロ取引

現在のトランザクション急増の主役は巨額の資金移動ではなく「極めて少額の取引(マイクロトランザクション)」だとCryptoQuantはいいます。同社によると、0.01BTC(を下回る取引が、1日の全トランザクション数に占める割合は約80%まで上昇。2023年時点では同じ比率が約44%だったとされており、ここ数年で取引の質が大きく変化したと整理できる数字です。

その結果、1日あたりの総トランザクション数は今年に入ってから80万件を突破し、2025年に記録した最低水準の2倍以上に。送金されるBTCの量がごくわずか(中には546サトシ程の微少なものも存在する)一方で、件数自体が膨大に積み上がる現象を同氏は「プロトコル主導の活動」と表現しました。

価格指標とオンチェーン指標が乖離する状況は見方によって解釈が分かれます。価格の冷え込みを「需要後退」と見る向きには逆風ですが、利用の積み上がりを「次の局面の地ならし」と捉える向きもあります。少なくとも、TradFi経由の投機需要が後退するなかでもネットワーク上の活動は静かに伸び続けているという事実は現状のBTC相場を一面的に「弱気」と片付けるべきではないことを示唆しているといえるかもしれません。

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記事ソース:CryptoQuantThe Block

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