1.2億ドルの不審資金、テザー社が一部凍結|4800万USDTは秘匿先へ

2026/06/16・

よきょい

1.2億ドルの不審資金、テザー社が一部凍結|4800万USDTは秘匿先へ

引用元: buradaki / Shutterstock.com

あるトロン(Tron)上のアドレスが先週、1億2,020万USDTを受け取り資金を分散させ始めたところ、テザー社が約7,200万ドル相当のUSDTを凍結したと報じられています。この資金の流れは資金洗浄が疑われるとして警告されたものですが、特定のハッキング事件との関連は公表されていません。

この事案が注目されるのは、追跡可能なステーブルコインの資金が、いかに素早く追跡の難しい経路へ移されるかを示している点です。同じ主体はKuCoinの入金アドレスへ1,200万ドル超を送金し、約800万ドルをインスタント取引所へ、800万ドル超をトロンからビットコインやイーサリアムへブリッジしたうえ、プライバシーコインであるモネロ(XMR)の大量買い注文を出したとされています。

皮肉なことに、取引内容を秘匿するために設計されたモネロが今回の資金移動が最も把握しやすい場所となりました。大量の買い注文がXMR価格を約330ドルから420〜438ドルの範囲へと押し上げたためです。受領額と凍結額の差から、凍結前におよそ4,800万ドルが移動した可能性があると報じられています。



USDTは複数のブロックチェーン上で発行される中央集権型のドル連動ステーブルコインで、発行体は特定のアドレスをブラックリスト登録してトークンの移転を防ぐことができます。テザー社は4月の別の声明で、制裁回避や犯罪ネットワークなどに関連する資産を制限できるとし、65カ国・340超の法執行機関と協力していると説明していました。一方で、すでに他の資産へ交換されたり、ブリッジやプライバシーシステムへ移されたりした価値を直接取り戻すことはできないとされています。

今回の凍結は、発行体がまだ管理できるUSDTの層に残っていた分を捉えたとみられます。残る約4,800万ドルの追跡は、取引所の協力やオフチェーン調査、変換後にどれだけ追跡可能性が残るかに左右されます。

ステーブルコインの凍結権限が機能するのはブラックリスト登録が可能なトークンの段階に限られることを、今回の事案は改めて示すものになりそうです。

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