元最大手の仮想通貨取引所BitMEX閉鎖、FTXと何が違う?
よきょい

引用元: IB Photography / Shutterstock.com
デリバティブ取引所BitMEXが事業の見直しを終え、9月23日に閉鎖することを発表しました。顧客に対しては、それまでにポジションを決済し資金を出金するよう呼びかけています。かつて業界を代表する取引所だった企業の退場でありながら、2022年のFTX破綻とは様相が大きく異なるとみられています。
Dear BitMEX Users,
Today, we share with a very heavy heart that BitMEX exchange will shut down its operations, effective 23 September 2026 at 04:00:00 UTC.
The owner and operator of BitMEX, HDR Global Trading Limited, has made the difficult decision to close operations… pic.twitter.com/oWuqlh547f
— BitMEX (@BitMEX) July 23, 2026
最大の違いは破綻の原因そのものです。今回の発表には、貸借対照表上の穴や出金停止、破産申請といった要素が一切含まれていません。BitMEXの市場シェアは0.01%を下回り、1日あたりの取引高は約40万ドルにとどまっていました。つまり事業として成り立たなくなったことによる計画的な撤退であり、隠れたレバレッジや顧客資産の流用が露呈した結果ではないとされています。
2022年の破綻連鎖は企業同士が与信で結びついていた点に特徴がありました。BlockFiはFTXの4億ドルの与信枠に依存していたことから、FTXの崩壊から数週間で破産申請に至り、Voyager、セルシウス、Genesisもテラ/ルナの崩壊を受けて破産や出金停止に追い込まれています。
米司法省は、Sam Bankman-Fried氏が80億ドルを超える顧客資金を流用したと指摘しました。これに対しBitMEXの閉鎖は、市場シェアの小ささゆえに他社への波及も限定的とみられています。
BitMEXは2016年5月に業界初とされる無期限スワップ「XBTUSD」を開始した先駆者でした。その後10年にわたってバイナンスやBybit、OKX、さらには分散型のパーペチュアル取引所がこの形式を模倣して規模を拡大する一方、BitMEX自身は流動性の厚い競合に押され、地位を取り戻すことはありませんでした。今回の閉鎖は、破綻ではなく陳腐化によって退場する形となります。
一方で、リスクの所在は移動しているとみられています。TRM Labsは2026年上半期に207件の仮想通貨ハッキングを記録し、同社のデータで過去最多の半期件数となりました。前年同期の83件から倍増した一方、被害額は23億ドルから約9億7200万ドルへ減少しています。
中央集権型取引所が通常の事業判断として静かに撤退できるようになった一方、コードやブリッジ、ガバナンスを通じたリスクは依然として残されていることになりそうです。
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