豪中銀によるトークン化市場の実証実験、成否の鍵は「決済通貨」

2026/05/30・

よきょい

豪中銀によるトークン化市場の実証実験、成否の鍵は「決済通貨」

オーストラリア準備銀行(RBA)とデジタル金融協同研究センター(DFCRC)は、トークン化資産市場がどのように決済され得るかを検証した「プロジェクト・アカシア」の結果を公表しました。これはデジタルマネーとトークン化を政策論から実際の市場インフラへと進めた実証実験です。

同プロジェクトは債券やファンド、レポ取引、カーボンクレジットなど、発行・取引・決済にわたる20のホールセール(大口)ユースケースを検証。最大の発見は資産そのものよりも「お金」、すなわち決済通貨が市場の成否を左右するという点でした。機関投資家は決済の最終性、法的確実性、流動性、運用の信頼性を同時に必要とするためです。

検証では4つの決済手段が比較されました。従来のRBA決済口座残高、ホールセール型の中央銀行デジタル通貨(CBDC)、トークン化された銀行預金、そしてステーブルコインです。それぞれに利点と課題があり、どれか一つが勝者になるという結論ではなくトレードオフの地図が示された形です。



決済手段の選択は市場の力学そのものを変えます。中央銀行の決済残高は規制された口座保有者の役割を維持し預金トークンは銀行のお金をトークン化市場へ広げますが、銀行間の標準化が必要です。ステーブルコインは民間競争をもたらす一方、準備金や償還、ライセンスの課題を抱えます。

プラットフォームごとに決済通貨が異なれば流動性が分断される恐れがあり、相互運用性が鍵になると指摘されています。

なお今回の試験はASICの規制免除のもとで行われた限定的なものであり、商用認可ではない点に留意が必要です。RBAは今後トークン化国債の検討や預金トークンの相互運用性など、追加的な課題に取り組む方針を示しています。

次の焦点は、どの決済モデルが実証段階を抜け出すことを規制当局が認めるかになりそうです。

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