テザーの米国債保有1410億ドルに、ステーブルコインが米国債務に組み込まれる構図

2026/05/25・

よきょい

テザーの米国債保有1410億ドルに、ステーブルコインが米国債務に組み込まれる構図

引用元: Mehaniq / Shutterstock.com

世界最大のステーブルコインUSDTを発行するテザーが、2025年末時点で米国債への直接・間接の保有額を1410億ドル超まで拡大させたことが明らかになりました。同社は自らを17番目に大きい保有主体であり、政府を除く保有者としては世界最大だと説明しています。

転機となったのが2025年7月18日にトランプ大統領が署名した「GENIUS法」です。同法はステーブルコイン発行者に対し、米ドルや短期国債などの流動性資産で100%の準備金を裏付けることを求めています。ベッセント財務長官はこの規定を「債務軽減エンジン」と呼び、準備金が短期国債に置かれることで国債需要が高まると指摘しました。



一方で、銀行システムへの影響も懸念されています。米財務省の報告書は、ステーブルコインが銀行から最大6兆6000億ドルの預金を流出させる可能性があると試算しました。GENIUS法が発行者による利回りの直接付与を禁じたのは、銀行への配慮とみられています。

IMFも、3050億ドル規模のステーブルコイン市場が伝統的な融資を脅かし、信認の崩れによる「取り付け騒ぎ」を引き起こしかねないと警告しています。

こうしたステーブルコインは、ドルの優位性や銀行の健全性、国家債務の需要、システミックな流動性リスクといった重い論点を一度に背負うようになりました。今後は政府がステーブルコインをどこまで容認するかという問いから、すでにそれを軸に再編されつつある世界の金融システムをどう管理するかという、より難しい問いへと移っていきそうです。

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