英国、仮想通貨ネットワークを制裁銀行扱いに|露の900億ドル決済疑惑
よきょい

英国政府はロシアの制裁回避を支援したとして、18の企業・個人に制裁を科しました。対象には2025年に3.3兆ドルの取引高を処理したジャスティン・サン氏が顧問を務める取引所Huobi(HTX)やキルギス関連のステーブルコイン発行体が含まれています。
今回の制裁で特筆すべきは、英国がロシア制裁規制の「Regulation 17A」を初めて仮想通貨取引所に適用した点です。これは従来制裁対象の銀行のみに使われてきた法的手段であり、規制当局が仮想通貨業界の一部を正式な金融機関と同等のインフラとみなすようになったことを示しています。
主な標的はクレムリン(ロシア政府)が支援する決済システム「A7」です。同ネットワークは2024年10月に設立され、2025年だけで900億ドル超を処理したとみられています。これはロシアの年間軍事支出の約半分に相当する規模とされています。
なおブロックチェーン分析企業のChainalysisは、A7の主要な決済手段であるステーブルコイン「A7A5」が1年弱で933億ドルの取引を処理したと報告しています。
ロシア企業は2022年の制裁後にはテザー(USDT)を多用していましたが、2025年3月に米当局が制裁対象取引所Garantexの保有USDTを差し押さえたことで中央集権的な凍結リスクが露呈。A7A5はその脆弱性への「回答」として設計されたとされています。
西側の制裁はロシア経済に打撃を与えた一方で、戦争の結末にかかわらず生き残る代替インフラの構築を皮肉にも加速させた可能性がありそうです。
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