インフレが止まらない日本でビットコインが注目される理由

2026/04/27・

よきょい

インフレが止まらない日本でビットコインが注目される理由

2026年4月27〜28日に開催された日銀金融政策決定会合。市場では一時、利上げへの期待が高まっていましたが、中東情勢の不透明感を理由に政策金利は0.75%で据え置きとなりました。

しかし、この「見送り」は単なる様子見ではなく日本が抱えるインフレと通貨信認という根深い問題を浮き彫りにしています。

日銀が動けない構造的なジレンマ

3月の前回会合では審議委員の一人が物価の上振れリスクを理由として利上げを提案しました。反対多数で否決されたものの、その事実は日銀内部でのインフレに対する警戒感がじわじわと高まっていることを示しています。

今回4月会合での利上げを困難にしたのは主に中東情勢です。2月末に始まった米国・イスラエルによるイラン攻撃以降、原油・天然ガス・石炭の価格は紛争前から平均で30%超の上昇を記録しています。

「利上げしたくてもできない」という苦しい立場

本来、物価が上昇しているなら金利を引き上げて抑制するのが中央銀行の基本動作です。ところが日銀は今、その基本動作が取りにくい状況に置かれています。理由は二つあります。

一つは政権の意向です。高市早苗政権は物価よりも景気に配慮する立場を取っており、利上げによる景気悪化リスクへの懸念が政治サイドから繰り返し示されています。

もう一つは、中東情勢という外部ショックの影響が現れ方によって読み筋が大きく変わることです。イラン情勢が改善すれば原油高も一服し、利上げを正当化するシナリオが崩れる可能性がある。このため日銀は6月会合に判断を先送りする判断に傾いたとみられます。



「ビハインド・ザ・カーブ」が招く円安という悪循環

4月会合での利上げ見送りが市場に「日銀は利上げに後手に回っている」という印象を与えかねないと指摘されています。この「ビハインド・ザ・カーブ」への懸念がイールドカーブ(利回り曲線)のスティープ化すなわち長期金利の高止まりを招き、さらに円安圧力を強めるという悪循環のリスクをはらんでいます。

実際日本の10年国債利回りは2.4%台に高止まりしており、停戦後も金利が下がりにくい状態が続いています。中東情勢の改善による原油下落を期待した債券買いが入りにくい状況で、市場は「利上げできなければ円安・インフレが続く」というシナリオを徐々に織り込み始めています。

企業インフレ期待は静かに上振れしている

日銀が3月に実施した短観では企業の1年後のインフレ見通しが前回調査の2.4%から2.6%へ上方修正されました。3年後・5年後の見通しも同様に上振れています。賃上げの定着と価格転嫁が進む企業行動の変容を背景に、インフレ期待は「一時的」を超えて構造化しつつあります。

通貨の信認が揺らぐとき、ビットコインは何を意味するか

ここで見えてくるのは単なる金利政策の問題ではなく、法定通貨としての円の信認に関わる構造的な問題です。利上げが後手に回れば実質金利はマイナスのまま推移し、預金や現金の購買力は静かに削られ続けます。物価は上がっても名目の金利はそれを追いかけられない——この状態が長引くほど、「円を持ち続けることのコスト」は投資家の意識に上りやすくなります。



ビットコインへの関心が高まるのはこうした文脈においてです。ビットコインは発行上限が2,100万枚に固定されており、いかなる政府や中央銀行も追加発行することができません。インフレが加速する局面では増刷できない通貨として設計されたビットコインを「法定通貨の外側に置く資産」として評価する動きが機関投資家を中心に広がっています。

ビットコインは約7万7,000ドル前後で推移しており、中東情勢の緊張が高まった局面での下落後も着実な回復を見せています。日銀が「利上げしたくても動けない」構造が続く限り、円建て資産のオルタナティブとしてビットコインが意識される機会は増えるでしょう。

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