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バイナンスが$FTTの大量売却を発表 | 騒動の一連の流れを解説

2022/11/07・

ユッシ

バイナンスが$FTTの大量売却を発表 | 騒動の一連の流れを解説

Binanceの創設者兼CEOであるCZ氏が、FTX発行の$FTTトークンを売却していくとツイートしました。

直近24時間の取引高で2.1兆円を誇るBinanceと、主要プレイヤーとしてBinanceと肩を並べるFTXの間で起こった今回の件に関して、一連の流れを時系列順に解説していきます。

売却発表後の市場の動きも解説しているので、是非最後までご覧ください。

今回の騒動の流れ

①CoinDeskがAlameda Researchの財務状況を報道 – 11月3日(木)

②クジラアカウントが2300万FTTをBinanceに送金 – 11月5日(土)

③Alameda ResearchのCEOが「貸借対照表に判定されていない100億ドル以上の資産がある」と発言 – 11月6日(日)

④CZ氏がFTTを売却していく旨を発表 – 11月7日(月)

– 前提
・Alameda ResearchはFTXの親会社の投資会社
・$FTTは取引所FTXが発行するトークン

①CoinDeskがAlameda Researchの財務状況を報道 – 11月3日(木)

海外メディアCoinDeskが11月3日、6月30日時点におけるAlameda Researchの一部財務状況で、146億ドルの資産、80億ドルの負債を保有していると報道しました。

CoinDeskが報じたAlameda Researchの財務状況

【146億ドル分の資産の内訳】

– 36.6億ドルの$FTT(アンロック)
– 33.7億ドルの仮想通貨(2.92億ドルの$SOL(アンロック)、8.63億ドルの$SOL(ロック)、0.41億ドルの$SOL担保)
– 21.6億ドルの$FTT担保
– 1.34億ドルの現金と等価物
– 20億ドルの株式証券
– その他($SRM、$OXY、$MAPS、$FIDA等)

【80億ドルの負債の内訳】

– 74億ドルがローン
– 2.92億ドル相当のFTTを借入

上記内容をきっかけに、FTXの親会社であるAlameda Researchの資産の多くがFTXが発行するFTTトークンであることが問題視され、大きな話題を呼びました。

②クジラのウォレットが約2300万FTTをBinanceに送金 – 11月5日(土)

上記報道の後、クジラ(資金を多く持っているアカウントを指す言葉)のウォレットが当時約780億円分の約2300万FTTをBinanceへ送金しました。

後にCZ氏は「Yes, this is part of it. (はい。これは一部です)」とツイートしており、上記の送金がBinanceが保有するFTTの一部であることを認めています。

③Alameda ResearchのCEOが「貸借対照表に判定されていない100億ドル以上の資産がある」と発言 – 11月6日(日)

CoinDeskの報道から3日経った11月6日、Alameda ResearchのCEOを務めるCaroline Ellison氏が「最近出回っている賃借対照表に関するメモ」と題したツイートを行いました。

Ellison氏はツイートの中で、

  • 報じられた賃借対照表はAlamedaの事業体の一部を対象としている
  • 上記に反映されていない資産が100億ドル以上ある
  • 記載されていないヘッジがある
  • 今年の仮想通貨クレジット分野引き締めを受けて、ローンのほとんどは返却済みである

と述べ、CoinDeskによって報じられた内容はAlameda Researchの財務状況の全てを表すものではないとしました。

④CZ氏がFTTを売却していく旨を発表 – 11月7日(月)

上記の流れの中、Binance CEOのCZ氏が本日11月7日未明、昨年FTXの株式からの撤退の一環で受け取った21億ドル相当のBUSDとFTTのうち、同社が保有する$FTTを売却する旨を発表しました。

CZは市場への影響を最小限に抑えるために、数ヶ月にわたって売却を行なっていくと発言。さらに、

“「Binanceは常に業界のプレイヤー間のコラボレーションを推奨しています。これが競合他社に対する動きであるかどうかという憶測については、そうではありません。」”

と競合他社(FTX)に対する動きであることを否定しました。

しかし、CZ氏は後に今回のFTT売却の理由について「LUNAから学ぶ出口後のリスク管理にすぎません。私たちは誰にも反対していません。しかし、陰で他の業界関係者に対してロビー活動を行う人々をサポートすることはありません。(一部省略)」と述べ、FTXのロビー活動に対する批判とも取れる文章を投稿しています。

FTX CEO サム・バンクマン・フリード氏の対応

上記の一連の出来事の後、FTX CEOを務めるサム・バンクマン・フリード氏は、今回の出来事に対する一連のスレッドを投稿しました。

“「根拠のない噂がたくさん流されているが、FTXは監査済みの財務を保持しており、プロダクトについては高度に規制されています。本日何十億ドルの入出金を処理しており、大量のUSD⇆ステーブルコインの変換が行われています。自分の好きなところで取引をすればいいです。残ってくれた人たちに感謝し、この事態が収まれば他の人たちを歓迎します。(一部要約)」”

サム氏は仮想通貨の送金の素晴らしさを改めて実感しているとともに「報復するかどうか、同じ方法を使用するかどうかに関わらず、今日の業界を構築するためにCZを含め皆さんが行なってきたことを心から尊敬する。」と述べています。

市場の動き

各種メディアやSNSで多く言及されている今回の件ですが、実際に市場ではどのような動きがあったのでしょうか。

CZ氏のFTT売却ツイート後の市場の動きをみていきます。

FTT/USDT -Binance (1分足)

FTTは、CZ氏のツイートが行われた11月7日0時47分の直後に約13%の大幅下落を見せ、一時は1 FTT = 21.5 USDTに。その後価格は回復し、記事執筆時は22.59 USDTとなっています。

SOL/USDT -Binance (1分足)

SOLはCZ氏のツイート直後に約4%の価格下落を見せました。

SOLの価格はその後右肩下がりとなっており、記事執筆現在は34.42ドルとなっています。

FTXのステーブルコイン残高

データ分析会社CryptoQuantのデータによると、FTXのステーブルコイン残高は5100万ドルとなり、過去二週間で93%減となりました。

上記数字は、1年以来の低水準であるとしています。

FTXからのETH出金

同じくCryptoQuantのデータによると、FTXからのETHの出金におけるトランザクション数は過去最大となりました。

出金額は1800万ドルほどになっています。

情報の接し方について

仮想通貨取引所の2大トップとも言えるBinanceとFTXの騒動についてまとめてきました。

先日のCelsiusの一件で、財務状況が不透明なCEXに資金を預けることのリスクや、受動的に情報を受け取らず、自らリサーチを行う重要性を学んだ方は多いかと思います。

現在もSNSをはじめとする各種メディアでは、AlamedaやFTXに関する憶測や推測に基づく様々な情報が流れています。

CelsiusとAlamedaは構造や内容は異なりますが、我々ユーザーの情報に対する接し方のヒントとして、どちらも良い教材になるのではないでしょうか。

CRYPTO TIMESでは今後もより良質な情報を様々な角度で発信していくので、是非チェックしてください。

記事ソース:CoinDesk


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本記事は情報を伝えることが目的であり、投資等の勧誘、または推奨を目的としたものではありません。本記事により発生、誘発されたとされるいかなる損失についてもその理由やプロセスに関わらずCRYPTO TIMES、株式会社ロクブンノニ、筆者及び全ての関係者は一切その責任を負いません。暗号資産にはハッキングやその他リスクが伴いますので、ご自身で十分な調査を行った上でのご利用を推奨します。

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