「金融庁が認めたから仮想通貨は安全」は誤解?金商法で異例の線引き
よきょい

引用元: soraneko / Shutterstock.com
仮想通貨を金融商品取引法の規制下に置く改正法が成立しましたが、参議院審議で政府が繰り返し強調したのは「投資を推奨するものではない」という点でした。金商法が保障するのは市場のルールであり価格を保障するものではないとの整理です。
片山財務/金融担当大臣は仮想通貨は価格変動リスクが大きい一方、伝統的な金融商品と異なる値動きをするためオルタナティブ投資の選択肢になり得ると述べました。そのうえで本改正は「ことさらに投資を推奨し、お墨付きを与えるものではない」とし、リスクを許容できる範囲での自己責任が前提になるとしています。
審議の最終盤では、日本共産党が「金商法対象化と分離課税化は国が投資にお墨付きを与えるに等しい」として反対討論を行いました。採決では賛成多数で可決されたものの、全会一致で採択された14項目の附帯決議には、分離課税化がお墨付きを与える意図ではないことの周知徹底や適合性原則の遵守、施行後5年を待たない機動的な制度見直しなどが盛り込まれています。
「規制整備は推奨ではない」という線引きは、海外の当局も腐心してきたテーマです。米SEC(証券取引委員会)が2024年1月に現物ビットコインETFを承認した際も、当時のゲンスラー委員長は「ビットコインを承認・推奨したわけではない」との異例の声明を出しました。制度の受け皿を用意することと、資産そのものにお墨付きを与えることを切り分けたい当局側の立場は日米で共通しています。
とはいえ税率20%やETF解禁への期待から新規参入者の増加が見込まれる中、「金融庁が認めたから安全」という誤解の防止は制度運用の最大の課題となります。市場拡大と投資家教育をどう両立させるかが、2027年度の施行に向けた焦点になりそうです。
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