AI対ビットコイン、電力を奪い合う|漁夫の利は電力会社
よきょい

AI拡大が電力不足という壁に直面しています。AIの稼働には膨大な電力が必要で米国では需要が電力網の整備を上回るペースで増加しており、電力を生み出し供給する企業に大きな主導権が移りつつあります。
電力がAIにとって最も希少な資産になりつつあり、電力会社は大きな交渉力を手にしています。規制下の電力会社は承認された設備投資から収益を得るため、電力網の増強がそのまま収益拡大につながります。テキサス州は上院法案6号のもと「自己負担」モデルを導入し、大口顧客に系統接続費用を負担させ緊急時の使用停止を義務付けています。
この構図をビットコインのマイナーは先に経験していました。マイニングは安価で中断可能な電力を前提とした事業を築き、系統が逼迫すれば稼働を止め、余剰電力を吸収する柔軟な負荷として機能してきました。一方、AIを運用するハイパースケーラーは常時稼働の安定電力と長期的な確実性を求めており、マイナーとは正反対の需要を持っています。
電力会社はこの争いを取り仕切り、どちらが勝っても利益を得る立場にあります。AIハイパースケーラーの需要に応えるため電力網を増強すれば、規制当局が費用を切り分けない限り、その負担の一部を一般利用者が負う可能性があります。
米エネルギー情報局(EIA)は2026年と2027年に米国の電力使用量が過去最高を更新すると予測しており、住宅用電力料金はすでに2026年に5%上昇しているとされています。AIが約束した「軽量なソフトウェア」とは裏腹に、電力こそが誰が拡大できるかを決める希少な資源になりそうです。
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