強すぎるアメリカ経済がビットコインを下落へ──21カ月ぶり安値58,115ドルと『利下げ消滅』の連鎖
アラタ | Shingo Arai

ビットコイン(BTC)が一時58,115ドルまで下落し、約21カ月ぶりの安値を記録しました。きっかけは、皮肉にも米経済の「強さ」を示す経済指標です。
6月25日、米商務省が発表した一連のデータが、市場の景色を一変させました。FRBが最も重視するインフレ指標であるPCE価格指数は前年比4.1%へと加速し、約3年ぶりの高水準を記録。変動の大きい食品・エネルギーを除くコアPCEも3.4%へ上昇しました。
JUST IN: 🇺🇸 US revises Q1 GDP growth up to 2.1% from 1.6%.
— Watcher.Guru (@WatcherGuru) June 25, 2026
一方で、同日発表された2026年第1四半期のGDP確定値は年率2.1%と上方修正され、雇用統計も改善傾向を維持しています。巨額のAI関連投資が米経済を下支えし、景気そのものは依然として堅調となっています。
この「景気は強い、しかしインフレも再燃」という組み合わせが、ビットコインには逆風となりました。FRBが利下げに動く唯一の理由は景気の鈍化ですが、足元ではその兆候が見えないからです。市場では年内の利下げ観測がほぼ消滅しました。
Polymarketの「2026年のFRBの利上げは?」という予測市場においても、YESが伸びて、一時64%まで達しました。なお予測市場の数値は将来の結果を保証するものではなく、あくまで現時点の市場参加者の見方を映したものです。ビットコインは、金融緩和や利下げで価格を上げてきた背景があります。特にBTCは「利回りを生まないアイドル資産」としては、金利の先高観とドル高は重荷となります。現金や米国債の利回りが上がれば、配当も利息も生まないBTCやリスクの高い暗号通貨を保有する相対的な魅力は低下するからです。
メモリ半導体大手の記録的決算を受けてAI関連株が史上最高値圏に沸くなか、ビットコインだけが取り残されている状態です。
過去にFRBが利上げサイクルを開始した2022年には、株式から暗号資産まで広範な資産が急落しました。当時の暗号資産の暴落にはセクター固有の要因も重なっていたものの、引き締め局面がリスク資産に重くのしかかった構図は現在にも共通します。今後はFRBの金融政策スタンスとドル指数の動向、そしてビットコインETFへの資金フローの反転、ストラテジー社のBTC動向がどうなるかが、相場の行方を左右する最大の焦点となりそうです。
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